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配偶者ビザの不許可パターン
「日本人の配偶者等」の在留資格が不許可になりやすいパターンと対処法
就労ビザや留学ビザなど、外国人が日本に住み続けるための在留資格はいろいろとあります。
その中でも、日本人や永住外国人と結婚したことによって得られる「配偶者ビザ」は、日本に住み続けたい外国人にとって、とても有利な在留資格です。
配偶者ビザによって、日本でどんな仕事に就いても合法となりますし、日本の永住権も取りやすくなるからです。
しかし、この配偶者ビザをもらうことを第一の目的で、日本人と偽装結婚する外国人もいるのです。
ですから、配偶者ビザを発行すべきかどうかを審査する出入国在留管理庁の職員に、「これは偽装結婚じゃないか?」と疑われたら、申請しても配偶者ビザをもらえない場合もあるのです。
婚姻届を出しているからといって、外国人が配偶者ビザをもらえるかどうかは、また別の問題なのです。
本コンテンツでは、配偶者ビザを申請しても不許可になりやすい、代表的な5つのパターンを紹介しながら、対処法も併せてお伝えします。
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1.交際中に、ふたりの写真をほとんど撮っていない
異性として交際していた証拠がほとんど残っていないと、偽装結婚を疑われます。
自分たちの写真を撮るのが好きではない人もいるでしょうが、配偶者ビザを確実に取得するためには、旅行先の写真などを交際期間中にたくさん撮影し、保存しておきましょう。
結婚した後にあわてて写真を撮り始めても、遅いです。画像データの日付によって、昔の写真でないことは、すぐに発覚してしまいます。しかし、結婚後でもお互いの家族と一緒に撮ったプライベート写真などを少しずつ撮りためた結果、配偶者ビザが認められる場合もあります。
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2.交際期間が短い
交際期間が3カ月未満だと、偽装結婚の疑いを生じさせる可能性が高いです。
しかし、本当に初めて会った日から意気投合し、ほとんど交際期間がなくて結婚する夫婦もいるでしょう。
その場合は、どうして短期間で結婚に至ったのか、何が決め手だったのか、お互いの両親には挨拶したのか、などを詳しく説明し、二人の写真やメッセージのやりとりを、洗いざらい入国管理局に提出したほうがいいです。そこにウソがないことを粘り強く伝え続ければ、やがて配偶者ビザは発行されるはずです。
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3.夫婦の年齢が15歳以上離れている
年の差があっても、愛さえあれば結婚するのは自由なのですが、残念ながら、偽装結婚の夫婦は年齢差が大きい例が多い。……それは紛れもない事実です。
特に、年齢差が15歳以上離れていると、一般的には相性や価値観を合わせにくいので、ふたりが結婚にまで至ることは珍しいです。裏を返せば、在留資格を取得する手段でしかない、実態のない結婚ではないかと疑わせる可能性が高くなります。
ここでも、どうして年の離れた日本人と結婚しようと思ったのか、詳しく、率直な気持ちを入国管理局の職員に説明することが重要となります。
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4.結婚相談所や出会い系サイトがきっかけの場合
もちろん、真面目に結婚相手を探すために、結婚相談所や出会い系サイトを利用する外国人も最近は多いです。
しかし、日本人と外国人が偽装結婚している場合の大半が、結婚相談所や出会い系サイトを経て知り合っている事実もあるのです。
特に、世界的に広く利用されている出会いアプリで、日本人と外国人が国境を越えたまま知り合い、1回か2回会っただけで結婚し、夫婦生活の実態がまったくないというケースもあります。そのため、入管庁も警戒を強めています。
偽装結婚を疑わせないためには、やはり交際や結婚に至った理由や決め手を誠実に伝えるとともに、利用した結婚相談所や出会い系サイトのシステムを詳細に説明できることが必要です。このシステム説明によって、真剣に結婚相手を探していたことを裏付けるのです。
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5.結婚相手である日本人の収入水準が低い
日本人の収入目当ての偽装結婚も少なくありませんが、日本人の側の収入が低い場合も、配偶者ビザが発行されなくなる可能性があります。
これは、偽装結婚が疑われているというよりも、結婚生活を維持するだけの十分な経済力を持っていないのではないかと疑われています。もし、結婚したことをきっかけに生活費の負担がかさみ、生活保護を受けなければならないとしたら、国の立場として、その日本人と外国人の結婚生活を認めるメリットがありません。最悪の場合、経済的に追い詰められて、犯罪に手を染めるおそれもあります。
もし、どうしても結婚して外国人配偶者と一緒に日本に住みたい場合は、自分自身の収入や資産、勤務先企業の業績などを開示した上で、母国の両親や親戚の資産状況、いざというときに仕送りなどで支援してもらえる状況か、などを説明し、出入国在留管理局の職員に納得してもらう必要があるでしょう。
配偶者ビザは、決められた手続きを踏んでいれば、必ず発行されるものではありません。偽装結婚を疑わせかねない不利な要素があれば、ひとつひとつ根気強く潰していき、疑いを晴らすための証拠を出し続けることが重要です。
先が見えないやりとりの連続で、くじけそうになったら、一度、弊所に相談してみてください。きっと、心強い味方になります。