トップページ > 就労ビザ > 外国人の「看護師」や「介護士」について

外国人の「看護師」や「介護士」について

外国人が、日本で「介護」や「看護師」の仕事をしたいときはどうする?

 

 

外国人が、日本で働くためには、仕事をしたい業種に当てはまる就業ビザを取得していなければなりません。

 

お年寄りや障害者などを世話する介護の仕事をしたければ、介護ビザ(在留資格「介護」)を取ることが一般的ですし、病院などで看護師の仕事をしたい外国人は、医療ビザ(在留資格「医療」)を取得します。

 

ただ、介護や看護に関する日本の在留資格は、やや複雑な仕組みになっていますので、注意しなければなりません。

 

一方で、他のビザでも介護や看護の仕事をする道が開けているのも特徴です。

 

 

日本人と結婚している外国人は、「日本人の配偶者等」という在留資格を得ることができます。

 

この在留資格を持っていれば、日本国内でどんな仕事をしても構いません。つまり、この在留資格さえあれば、介護士や看護師の仕事をすることに何の問題もありません。

 

また、永住者として日本に住むことが認められている外国人、あるいは特別永住者である在日韓国人や在日中国人と結婚している場合も、職種に制限がない「永住者の配偶者等」の在留資格を得ることができます。

 

他に「定住者」という在留資格もあります。先祖が日本出身で古くから外国に移住していた「日系人」の外国人などに、定住者としての在留資格が与えられます。その日系人と結婚した配偶者も、定住者となります。

 

定住者としての外国人も、日本国内での職種制限がありませんから、資格を持っていれば介護や看護の仕事が可能です。

 

■EPA協定による看護師候補・介護士候補

 

EPAとは経済連携協定(Economic Partnership Agreement)の略で、複数の国々の間で、貿易や投資などの国際協力を相互に実施しあう取り決めのことです。

 

そのEPAの一環で、日本は他国から介護士や看護師の候補者を受け入れ、支援する国際協力を行っています。

 

この「EPA看護・介護受入事業」の相手国となっているのが、ベトナム・インドネシア・フィリピンという3つの国です。

 

あくまでも看護師や介護士の「候補者」として受け入れられている立場で、見習い中のベトナム人・インドネシア人・フィリピン人ですから、彼らには介護ビザや医療ビザが発行されません。

 

その代わり、介護士や看護師として一人前に活動し始めるまでの間、「特定活動ビザ」によって、日本に滞在することが認められています。

 

国際厚生事業団(JICWELS)の調べによると、2020年10月現在で、介護士候補だけで3カ国の出身者3155人が日本に滞在しています。

 

もちろん、日本で介護福祉士の資格を取って、勤務先が決まれば「介護ビザ」で引き続き日本国内に滞在できます。看護師の場合も同様です。

 

 

では、日本との間で「EPA看護・介護受入事業」協定を結んでいない国に住む外国人は、どうすればいいのでしょうか。

 

あらかじめ日本の看護師や介護福祉士の資格を取ってから、「介護ビザ」の取得をし、就業する方法が一般的な方法ですが、日本の介護福祉士の専門学校に入学すること自体がかなりハードル高い方法です。

 

介護に限っては、資格を取らなくても「特定技能ビザ」で日本に入国できる可能性があります。

 

介護に関する技能試験と、日本語技能試験を、一定水準以上でクリアすれば、「特定技能」の在留資格が認められるのです。

 

日本国内での人手不足が深刻な介護の分野は「特定技能1号」に指定されているため、外国人を積極的に受け入れています。

 

介護は、多くの日本人にとって「給料が安いわりに大変な仕事」だと捉えられがちですが、国によっては日本と比べて物価が安いため、その給与水準でも喜んで仕事をする外国人もいます。

 

特に母国の家族にお金を送るため、出稼ぎで来日したいと願っている外国人にとって、介護は給与に恵まれていて、求人も多く、やり甲斐のある職場のひとつなのです。

 

特定技能1号の外国人が行える介護の仕事は、主に食事・入浴・排泄・衣服の着脱など、要介護者の世話です。

 

また、レクリエーションを行ったり、リハビリ訓練の補助をしたりすることもできます。

 

ただし、特定技能ビザで「訪問介護」の仕事をすることは認められていませんので、ご注意ください。

 

 

介護は、技能実習の対象でもあります。

技能実習生とは、日本の技術やノウハウを母国に持ち帰る目的で、日本の企業で技能実習を行う外国人のことです。技能実習生の立場で来日した外国人は、最長で5年間、日本に滞在することができます。

 

介護分野で日本企業に受け入れられている技能実習生は、2020年10月末の時点で、すでに2万人を超えています。

 

技能実習生から「特定技能1号」に移行して、引き続き日本国内の介護の職場で働き続けることもできます。その場合は、最長で10年間、日本に滞在できます。

 

さらに、「特定技能1号」の期間中に一定の介護の資格を取得した場合は、在留期限に上限がなくなり、本人が介護の仕事を続ける限りずっと日本に在留することが可能となります。

 

介護や看護は、専門技術だけでなくコミュニケーションも重要ですから、日本語を話し、聞き取る能力も求められます。

 

人一倍の勉強が必要で、やり甲斐のある仕事ですが、在留資格のしくみはやや複雑です。

もし、外国人介護士の採用を検討しておられるようでしたら、弊所にお気軽にご相談ください。

無料診断受付中