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外国人の起業(会社設立)―在留資格「経営管理」の取得について

外国人の起業(会社設立)―在留資格「経営管理」の取得について

 

 

 昨今、世の中のIT化が進み、依然と比べて起業に対するハードルが低くなったように思えます。郵送やFAXでのやり取りは格段に減り(我々行政書士はまだまだ紙ベースの仕事が多く、申請も窓口で行うアナログスタイルが一般的ですが・・・)、顧客や提携先の仕事のやり取りはノートPCやスマートフォンで完結することも多くなりました。

 

 日本人だけでなく外国人も個人事業主や会社経営者として日本国内で起業する人も増えてきました。

 

  外国人が個人事業主として起業する場合は、会社設立を前提に起業する場合よりハードルがかなり上がります。

 

 日本人や身分系の在留資格(永住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等、定住者)を持っている外国人であれば、会社を設立したり個人事業主として税務署に事業開業届を提出すれば、すぐに経営者として営業活動を開始するやその活動に伴う報酬を得ることができますが、上記の4つの在留資格を持っていない外国人や、そもそも在留資格を持っていない外国人の場合は、在留資格「経営管理」を持っていないと日本で営業活動を行うことも報酬を得ることもできません。

 

 

 上記で説明した営業活動や報酬を得ることというのが、具体的にどういうものかを株式式会社を設立した場合で説明していきます。

 

 在留資格「経営管理」の申請をする前にできること(やらなければならないことでもあります)としては、①株式会社設立登記、会社が活動するための事務所を設置、③法人名義の口座開設、営業準備(会社HPの作成、パンフレット等の準備・発行、名刺の作成、ETC)などがあります。

 

 在留資格「経営管理」を取得した後にしかできないことは、売り上げを上げること、役員報酬を得ることです。

 

 

 それでは、外国人が起業し、日本で営業活動を行うために必要な在留資格「経営管理」について説明していきます。

 

 まず、会社を設立する必要があります。設立する会社の形態としては「株式会社」か「合同会社」を設立するのが、一般的です。

 

 「株式会社」と「合同会社」の違いについては、細かく説明すると、本コンテンツが長くなりすぎますので、本コンテンツでは省略致します。

 

 「株式会社」「合同会社」それぞれのメリット・デメリットを説明していきます。

 ※そこまで大袈裟なものではなく、あくまでもイメージ的なものです。

 

 「株式会社」を設立する一番のメリットは「信頼性」ですので、特に海外取引等を予定している場合は「株式会社」を設立する方がお勧めです。デメリットとしては、登録免許税が15万円、定款認証料5万2千円+認証に関わる印紙代4万円を納めなければならず、これは「合同会社」のためにかかる設立費用よりも高額です。

 

 「合同会社」を設立するメリットは会社設立に要する費用が「株式会社」と比べて少ないということです。登録免許税は6万円、定款認証料は不要、認証に関わる印紙代4万円であり、設立に要する費用が「株式会社」と比べて割安になっています。

 

会社名ではなく「屋号」でビジネスを行う場合は「合同会社」で会社を設立するのも費用を抑えられるという点で有効です。

 例えば「○○飯店、○○ラーメン」という料理屋さんや「○○スタジオ、○○堂」といった美容室やマッサージ店等の業態の場合、社名ではなく「屋号」でビジネスを行うことがほとんどなので、「株式会社」にする必要もあまりありません。

 このような業態の会社からサービスの提供を受けた後で料金を支払い、領収書を見たときに初めて正式な社名が分かったという経験を皆様もお持ちではないでしょうか?

 

 ※在留資格「経営管理」を取得する条件として、資本金500万円以上であるか、従業員2名以上の雇用というものがあります。起業当初から従業員2名を雇用するという事はあまり無いと思いですので、一般的には資本金500万円以上の会社を設立することになりますが、資本金の出処の証明や会社の設立方法(※特に海外に在住している外国人が会社を設立する場合)については、細心の注意をしながら、確実でしかも明確なプロセスを経ていく必要があります。

 

※※弊所では、お客様が会社を設立する前からコンサルティングを開始することをサービスの基本としていますが、中にはお客様自身が会社を設立した後で弊所に「経営管理」の取得をご依頼されるケースもあります。このような場合、入管庁から資金の出処や送金方法や資金の移動方法について指摘され、ビザの取得がかなり困難になるケースもございますので、ご自身でまだ何もしていない状態で弊所にご相談されることが、ベストな選択であることをご理解いただけると幸いです。

 

 会社設立を終えた後の手続きについては、別のコンテンツで説明をさせていただきます。

 

【まとめ】

 

1.会社の設立形態は一般的には「株式会社」OR「合同会社」

 

2.「経営管理」を取得するためには、資本金500万円以上を設定するか、従業員2名以上の雇用が必要

 

3.会社を設立する際には、資金の出処や資金の移動方法について細心の注意と明確かつ

確実なプロセスを経ることが必要 

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