配偶者ビザの更新申請とは?審査基準・必要書類・不許可事例を解説!

配偶者ビザで在留している外国人が引き続き日本に滞在するためには、在留期限が満了するまでに、ビザの更新手続きを済ませなければなりません。もし期限内に更新手続きが完了しなければ、不法滞在とみなされ、退去強制の処分の対象となるため、十分な注意が必要です。

一方で、配偶者ビザの更新申請には、要件や必要書類など確認する事項が多く、初めての更新申請を迎える外国人は戸惑うこともあるでしょう。

こうした実情を踏まえ、本記事では、配偶者ビザ更新申請の審査基準のほかに、手続きの流れや必要書類について解説します。配偶者ビザ更新で3年を取得するためのポイントや、配偶者ビザが不許可になるケースについても解説するため、ぜひ参考にしてください。

配偶者ビザの更新申請とは?

配偶者ビザの更新申請は、配偶者ビザで在留している外国人が、在留期限を迎える前に在留期間を更新するために行う申請手続きです。

更新申請には、前回のビザ申請時と比較して生活の環境や状況に大きな変化がない「単純更新」と、前回のビザ申請から離婚・再婚・退職・失業などにより生活状況が大きく変わった「事情説明が必要なケース」の2種類があります。

日本において国際結婚の離婚率は50%弱とされますが、日本人と離婚した外国人全員が配偶者ビザを保有しているとは限りません。そのため、配偶者ビザで在留している外国人の多くは、単純更新のもとで更新申請していると考えられます。

配偶者ビザの在留期間の種類(6カ月・1年・3年・5年)

配偶者ビザの在留期間は短い順に6カ月、1年、3年、5年となっています。

4種類の在留期間のうち、6カ月は、日本人の配偶者との離婚調停または離婚訴訟が係属している外国人が主な対象の在留期間です。一方、1年は、多くの初回申請者に付与される在留期間とされています。

そのため、3年と5年は基本的に更新申請が許可された外国人に付与されます。しかし、提出された書類をもとにした総合的な判断により、初回から3年や5年の在留期間を付与されるケースも少なくありません。

初回申請で、3年や5年の在留期間が認められるのは、主に安定した婚姻生活を証明できる外国人です。ここでいう安定した婚姻生活は、婚姻後3年以上同居していること、あるいはお子さんが初等教育以上の学校に通っており、家族としての生活が安定していることがわかる文書を提出することで証明します。

配偶者ビザを更新申請できるタイミング

配偶者ビザの更新申請は、在留期間が満了する3カ月前から可能です。ただし、入院や長期出張などにより特別な事情が認められる場合は、3カ月以上から更新申請を受け付けてもらえる場合があります。

配偶者ビザ申請の審査期間

出入国在留管理庁によれば、配偶者ビザの審査期間(在留審査処理期間)は次のとおりです。


在留資格認定証明書交付在留期間更新在留資格変更
日本人の配偶者等78.146.254.0

出典:出入国在留管理庁「在留審査処理期間(日数) 令和7年7月分

なお、在留期間更新許可申請と在留資格変更許可申請の場合、処分日は申請人が最寄りの出入国在留管理局(入管)に訪れた日を指します。これにより、処分日と審査終了までの日にちには乖離があり、実際の審査自体は表示された日数よりも短い場合があります。

配偶者ビザ更新申請の審査基準

ここからは、配偶者ビザ更新申請の審査基準について、6カ月、1年、3年、5年の4つの在留期間別に解説します。

在留期間5年

在留期間5年の審査基準は次のとおりです。

申請者が、入管法に基づく届出義務(住居地の届出、住居地変更の届出、所属機関の変更の届出など)を履行していること 納税や保険料納付といった公的義務を十分に果たしていること 義務教育期間に相当する学齢期の子どもを有する親にあっては、その子どもが小学校または中学校に通学していること(インターナショナルスクールも含む) 家計を支える主たる生計維持者が納税義務を果たしていること 家族構成や婚姻期間など婚姻を取り巻く諸状況からみて、婚姻および配偶者の身分に基づく生活の継続が見込まれるもの(婚姻については、婚姻後の同居期間が3年以上であることが条件)

在留期間3年

在留期間3年の審査基準は次のとおりです。

これまで5年の在留期間を決定されていた者で、在留期間更新の際に次のいずれにも該当する者 5年の在留期に関する条件の1から4までのいずれかに該当しない者 家族構成や婚姻期間など婚姻を取り巻く諸状況からみて、婚姻や配偶者としての生活が継続されることが見込まれる者 5年、1年、または6カ月のいずれの条件にも当てはまらない者

在留期間1年

在留期間1年の審査基準は次のとおりです。

これまで3年の在留期間を決定されていた者で、在留期間更新の際に5年の在留期間の条件の1から4までのいずれかに該当しない者 家族構成や婚姻期間など婚姻を取り巻く諸状況からみて、婚姻および配偶者の身分に基づく生活の継続性を1年に1度確認する必要がある者 過去の在留状況などからみて、1年に1度在留状況を確認することが求められると判断される者 在留予定期間が6カ月を超え、1年以内の者

在留期間6カ月

在留期間6カ月の審査基準は次のとおりです。

離婚調停または離婚訴訟が行われている者(ただし、夫婦ともに婚姻を継続する意思がなく、配偶者としての活動が今後見込まれない場合は除く) 夫婦の一方が離婚の意思を明確に示している者 滞在期間予定が6カ月以下の者

配偶者ビザ更新申請の手続きの流れと必要書類

ここからは、配偶者ビザ申請の手続きの流れや必要書類について解説します。

配偶者ビザの更新手数料

配偶者ビザの更新申請では、許可を受けた申請者は手数料として6,000円を収入印紙で納付しなければなりません。

ただし、オンラインで更新申請した場合、収入印紙で納付する手数料は5,500円に減額されます。

配偶者ビザ更新申請の手続きの流れ

配偶者ビザの更新申請は次の手続きに沿って進めていきます。

  1. 夫婦で提出書類を収集・作成する

まずは、夫婦で協力しながら申請書や配偶者の住民票、身分保証書といった提出書類を集めてください。この段階で提出書類の収集が難しければ、行政書士をはじめとした専門家に協力を仰ぐと良いでしょう。

  1. 最寄りの入管に申請書類を提出・提示する

書類がそろった後は最寄りの入管窓口で申請書類を提出・提示しましょう。

  1. 入管で審査を受ける

入管に申請書類を提出・提示すると、入管審査が始まります。

更新申請にかかる入管審査の標準処理期間は2週間から1カ月ですが、実際は入管の混雑状況や追加資料の発生により長引く場合が多いとされます。

  1. 許可通知を受ける

審査が終了すると、入管から窓口申請の場合はハガキで結果が届きます。届いた結果が申請の許可通知であれば、案内に従って在留カードの受け取り手続きに進みましょう。

  1. 新しい在留カードを入管で受け取る

許可通知書を受け取った後は、当該通知書とパスポート、在留カード、手数料を持参し、最寄りの入管で新しい在留カードを受け取りましょう。

配偶者ビザ更新申請の必要書類

配偶者ビザを更新申請する際に必要な書類は次のとおりです。

在留期間更新許可申請書 1通 写真 1葉 配偶者(日本人)の方の戸籍謄本(全部事項証明書)1通 日本での滞在費用を証明する資料 申請人の滞在費用を支弁する直近1年分の住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書 その他 a 預貯金通帳の写し 適宜 b 雇用予定証明書または採用内定通知書(日本の会社発行のもの)適宜 c 上記に準ずるもの 適宜 配偶者(日本人)の身元保証書 1通 配偶者(日本人)の世帯全員の記載がある住民票の写し 1通 パスポート 提示 在留カード 提示 その他 身元保証人の印鑑 身分を証する文書等

出典:出入国在留管理庁「在留資格「日本人の配偶者等」(外国人(申請人)の方が日本人の配偶者(夫又は妻)である場合)」などをもとに作成

配偶者ビザ更新で3年を取得するためのポイント

配偶者ビザ更新で3年を取得するためのポイントには、次の5つがあります。

  • 収入を安定させる
  • 結婚生活の安全性を証明する
  • 入管法上の届出義務を履行する
  • 公的義務を適正に履行する
  • お子さんがいる場合はしっかり学校に通わせる

これらのポイントを押さえると、配偶者ビザで3年の在留期間を取得しやすくなります。ぜひ参考にしてください。

収入を安定させる

配偶者ビザ更新で3年の在留期間を取得するためには、収入を安定させましょう。収入が安定していなければ、生活保護をはじめとした公的支援を受ける可能性が高いとみなされ、入管の審査官に「日本の国益を損なってしまう」と判断されてしまうためです。

安定した収入には明確な基準がありませんが、最低年収の目安は300万円とされています。

ただし、300万円という年収は、収入要件をクリアするうえでマストではありません。夫婦が実家で生活しており、家賃がかからない場合は、月々発生する固定費が少ないことを理由に、収入が平均を下回っていても、入管審査で「生活に問題ない」と判断されます。

結婚生活の安定性を証明する

配偶者ビザ更新で3年の在留期間を取得するためには、結婚生活の安定性を証明しましょう。2002年の最高裁判決によれば、結婚生活の安定性は、以下の要件をクリアすることで証明できます。

形式的な婚姻関係があるだけでは不十分 両性の夫婦が永続的な精神的・肉体的結合を目的 誠実な意思のもとで共同生活を送っていること

判例で示された要件が入管審査でそのまま適用されるわけではありません。

それでも、入管審査では、判例で示された要件が強く作用する可能性が高いとされます。そのため、申請者は単なる婚姻関係に留まらず、実際に配偶者と同居し、互いに協力・扶助している実態を証明する必要があるでしょう。

入管法上の届出義務を履行する

配偶者ビザ更新で3年の在留期間を取得するためには、申請を通じて入管法上の届出義務を履行していること証明しましょう。

入管法上の届出義務とは、在留カードに関する届出義務や、配偶者に関する届出を遅延なく行うことなどを指します。複数の入管法上の届出義務のうち、変更のあった日から14日以内に届け出る必要がある「居住地に関する届出」は、届出漏れが起きやすいため、十分に注意しましょう。

公的義務を適正に履行する

配偶者ビザ更新で3年の在留期間を取得するためには、納税や保険料納付といった公的義務を適正に履行しましょう。

ここでいう公的義務の履行には、単に税金や保険料を払うだけに留まらず、納付期限を守ることも含まれます。そのため、納付期限の遅れは入管審査でのマイナス評価に直結するため、注意しましょう。

公的義務の履行が与える影響は、配偶者ビザの更新申請だけではありません。永住者ビザや帰化の申請の際にも大きな影響が及ぶため、日頃から遅延なく対応するようにしてください。

お子さんがいる場合はしっかり学校に通わせる

夫婦の間に小学1年生から中学3年生までのお子さんがいる場合は、しっかり日本の学校に通わせましょう。日本の学校に通わせることは、日本での生活の定着性が認められやすいためです。

なお、入管審査では、インターナショナルスクールへの通学も生活の定着性を示す要素として高く評価されます。

配偶者ビザが不許可になるケース

配偶者ビザが不許可になるケースには、次の4つがあります。

  • 安定した婚姻生活を立証できない
  • 収入が安定していない
  • 公的義務を適正に履行していない
  • 提出した申請書類の内容が過去と大きく異なる

不許可事例を押さえておけば、配偶者ビザの更新申請で失敗しにくくなります。ぜひ参考にしてください。

安定した婚姻生活を立証できない

仕事による単身赴任や病気、親の介護などを理由に、安定した婚姻生活を立証できない場合は、更新申請が不許可になる可能性があります。配偶者ビザの更新では、安定した婚姻生活の立証につながる夫婦の同居が基本条件となっているためです。

やむを得ない事由があっても、安定した婚姻生活の立証が難しい場合は、別居の理由や期間、会う・連絡する頻度、今後の同居計画を申請を通じて示すことが重要です。そのうえで、賃貸借契約書や公共料金の支払い明細、仕送りをしたことがわかる口座の出入金記録などをもとに、婚姻関係が続いていたことを証明しましょう。

収入が安定していない

著しく収入が低い場合は婚姻の「継続性」「真実性」の面でマイナスに評価され、更新申請が不許可になる可能性があります。

安定した収入には明確な基準はありません。ただし、家計を支える配偶者一人につき約300万円、扶養家族一人につき70〜80万円が必要だと考えられています。つまり、夫婦2人で生活をする場合は、少なくとも世帯年収が370万円以上ある必要があるでしょう。

もし世帯年収がその水準に達していない場合、被扶養者が不足収入を副業やアルバイトなどで補うことを検討しておくことをおすすめします。

公的義務を適正に履行していない

税金の未納や遅延、住所・勤務先の変更届の未提出などで公的義務を適正に履行していない場合は、更新申請が不許可になる可能性があります。

公的義務を適正に履行できていない場合は、滞納や未履行を解消したうえで、証明書で義務を履行したことを立証しましょう。

提出した申請書類の内容が過去と大きく異なる

提出した申請書類の内容が過去と大きく異なる場合は、虚偽の申告をしているとみなされ、更新申請が不許可になる可能性があります。

もし大きな変更点がある場合は、その理由を書面化し、なぜ過去の提出内容と変わったのかを合理的に説明しましょう。

その際、住民票や課税証明書、就労条件が変更したことがわかる雇用契約書などをまとめて提出することが有効です。これらの書類を追加で提出すれば、入管の審査官に状況が変わった理由や背景を理解してもらいやすくなるでしょう。

配偶者ビザの更新申請でよくある質問

最後に配偶者ビザの更新申請でよくある質問とその回答について解説します。

Q.配偶者ビザ更新申請に必要な理由書はどう書けば良いですか?

前回申請から婚姻や生活状況に変化が生じている際に作成する理由書には、状況の変化を時系列で説明しましょう。

現在の在留資格が1年で、より長い3年や5年の在留期間を希望する場合も、状況の変化を網羅した理由書を提出することをおすすめします。

いずれの場合でも、理由書を作成する際は、ほかの提出書類と内容を一致させることが重要です。逆にほかの提出書類との乖離が大きければ、入管に虚偽の申告をしているとみなされるため、十分に注意しましょう。

Q.配偶者ビザの更新申請が不許可になった場合はどう対応すれば良いですか?

配偶者ビザの更新許可が不許可になった場合でも、婚姻自体は有効です。そのため、日本人の配偶者が日本にいる場合は、結果として日本と海外での二重の婚姻生活が始まるでしょう。

二重の婚姻生活が始まった場合の選択肢は、主に①日本人の配偶者に海外で生活してもらう、②配偶者ビザを再申請する、③離婚する、の3つです。どの選択肢を選ぶかは夫婦間の自由であるため、ライフプランに合った選択肢を選びましょう。

Q.配偶者ビザの更新申請の審査に年収や転職時期は影響しますか?

配偶者ビザの更新申請の審査では、年収や転職時期も影響します。

それでも、転職直後であれば、内定通知書や転職先企業が発行した雇用契約書などを提出したうえで、家計の見通しを数字で示すことで、審査官からの信頼が得られやすくなります。

たとえ、転職で年収が一時的に下がったとしても問題ありません。預貯金を記載した銀行取引明細書で月々の家計収支がプラスであることを説明できれば、生活の安定の証明は十分に可能です。

まとめ

別居期間が長い、配偶者および申請者の収入が低いといった審査に不利な要素が多い場合に、立証不十分な状態で配偶者ビザの更新申請をしてしまうと、不許可になるリスクが高くなります。

しかし、審査に不利な要素が多かったとしても、合理的な理由がある場合は、明確な根拠を示すことで、許可を得られる可能性があります。

それでも、審査に不利な要素が多い場合は、独力での解決が難しいこともあるでしょう。そのようなときは、行政書士をはじめとする在留資格の専門家に協力を仰ぐことをおすすめします。

専門家の協力を得られれば、過不足なく提出書類を集めることができ、更新申請の許可を得られる可能性が高まるでしょう。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
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