配偶者ビザで在留中、離婚したらどうなる?離婚後の手続きや定住者ビザへの変更要件も解説!

配偶者ビザ(日本人の配偶者等)で在留中に離婚した場合、在留資格はすぐに失われるわけではありませんが、離婚後14日以内の届出と6カ月以内の在留資格変更という2つの期限を守ることが不可欠です。手続きを放置すると、不法滞在・強制退去のリスクがあります。
📋 この記事でわかること
- 離婚後14日以内にすべき届出の方法と提出先
- 離婚後も日本に在留できる期間と「6カ月ルール」
- 離婚後に変更できる在留資格の種類と要件
- 定住者ビザへ切り替えるための4つの要件
- 手続きを放置した場合のリスクと対処法
手続きが複雑・期限が迫っている方は、ビザ相談窓口で早めに状況を整理されることをおすすめします。
離婚しても在留資格はただちに失われない
配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)で在留している外国人が離婚した場合、在留資格は離婚と同時に取り消されるわけではありません。退去強制もただちに執行されません。
ただし、配偶者ビザの在留要件を失った以上、無条件に在留期限まで滞在できるわけではなく、出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づき、速やかに在留資格の変更手続きをするか、母国に帰国することが求められます。
離婚後の手続きタイムライン
離婚成立(Day 0)
在留資格の根拠が失われる。ただちに失効はしない。
⚠️ 14日以内:配偶者に関する届出【義務】
未届出は罰則対象(20万円以下の罰金)。将来の変更・更新申請にも悪影響。
6カ月以内:在留資格の変更申請
定住者・就労ビザ・留学ビザ等への変更を検討・準備する。
🚨 6カ月超過:在留資格取消のリスク
正当な理由なく配偶者としての活動を6カ月以上行っていないとみなされ、在留資格が取り消される可能性がある(入管法第22条の4)。
ℹ️ 「6カ月以内」は猶予ではなく目安
「離婚後6カ月は必ず在留できる」という保証ではありません。6カ月を超えると在留資格取消の対象となり得るため、できるだけ早く変更申請の準備を始めることを強くお勧めします。
離婚後14日以内の届出【必須手続き】
配偶者ビザで在留している外国人が離婚した場合、入管法第19条の16に基づき、離婚後14日以内に「配偶者に関する届出」を行う義務があります。
🚨 届出を怠った場合のリスク
- 罰則:20万円以下の罰金(入管法違反)
- 将来の在留資格変更・更新申請で不許可・在留期間短縮などの不利益な扱いを受ける可能性
- 永住申請においても届出義務の履行が要件となるため、将来の申請に影響する
届出の対象者
以下の在留資格を持つ中長期在留者が対象です。
- 家族滞在(配偶者として行う日常的な活動を行える者に限る)
- 日本人の配偶者等(日本人の配偶者の身分を有する者に限る)
- 永住者の配偶者等(永住者等の配偶者の身分を有する者に限る)
出典:出入国在留管理庁「配偶者に関する届出」
3つの届出方法
💻 ① オンライン(推奨)
出入国在留管理庁電子届出システムを利用。24時間対応で、届出履歴や処理状況も確認可能。初回は利用者情報の登録が必要。
🏢 ② 窓口持参
最寄りの地方出入国在留管理官署で在留カードを提示のうえ届出書を提出。受付時間は事前確認を。
✉️ ③ 郵送
届出書に在留カードの写しを同封。封筒の表に朱書きで「届出書在中」または「NOTIFICATION ENCLOSED」と記載のうえ、下記宛先へ送付。追跡可能な方法(簡易書留等)を推奨。
〒160-0004
東京都新宿区四谷1丁目6番1号 四谷タワー14階
東京出入国在留管理局 在留調査部門 届出受付担当
ℹ️ 届出義務とガイドラインの関係
出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」では、在留資格の変更・更新の許可要件として「入管法に定める届出等の義務の履行」が第8番目の要件として明記されています。配偶者に関する届出はこの「所属機関等に関する届出」の一つに含まれます。
離婚後に変更できる在留資格
離婚後に日本に引き続き在留したい場合、状況に応じて以下の在留資格への変更を検討します。
| 在留資格 | 主な要件・特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 配偶者ビザ (再婚) |
新たな日本人・永住者との婚姻が必要。離婚後すぐに再婚可能(2024年4月1日施行の改正民法により再婚禁止期間は廃止) | 離婚後に新たなパートナーと結婚する方 |
| 就労ビザ (技人国等) |
大学卒業等の学歴、または関連分野の実務経験(10年以上等)が必要。職種・業務内容が在留資格に対応している必要あり | 専門職・技術職として就労できる方 |
| 定住者ビザ | 原則として婚姻生活3年以上・安定収入・日本語能力・公的義務の履行が必要。就労制限なし | 婚姻期間が長い方、日本人との間に子どもがいる方 |
| 永住ビザ | 原則10年以上在留(うち就労・居住資格で5年以上)、素行善良要件・独立生計要件等を満たす必要あり | 在留歴が長く、要件を満たす方(婚姻中の申請が有利) |
| 留学ビザ | 日本の教育機関への入学・在籍が条件。就労時間に制限あり(資格外活動許可で週28時間まで) | 進学・技能習得を目指す方 |
ℹ️ 再婚禁止期間は2024年4月1日に廃止されています
2024年4月1日施行の改正民法(民法第733条の削除)により、女性の再婚禁止期間(旧100日)は完全に廃止されました。離婚成立後、日を置かずに再婚することが法律上可能です。ただし、在留審査では前婚の実態・新婚姻の真正性・生計維持性なども総合的に評価されます。
経営管理ビザについての注意
離婚後の在留確保を目的として自ら会社を設立し「経営管理ビザ」を取得しようとするケースがありますが、2025年10月16日施行の省令改正により要件が大幅に厳格化されており、現在は以下の条件がすべて必要です。
- 資本金等3,000万円以上(改正前は500万円以上)
- 常勤職員1名以上の雇用義務化
- 日本語能力B2レベル(JLPT N2相当)以上
- 経営経験3年以上または経営管理関連の学位
- 自宅と別に事務所を確保(自宅兼事務所は原則不可)
離婚後の在留維持を主目的とした安易な会社設立では許可が得られない可能性が高く、慎重な検討が必要です。
就労ビザへの切り替えを検討されている方は、就労ビザのサポート内容も確認しておくと安心です。
定住者ビザへの変更要件
離婚後も日本での生活を続けたい場合、最も利用されるのが定住者ビザへの変更です。定住者ビザは法務大臣が特別な理由を考慮して一定期間の在留を認めるもので、就労制限がないことが大きなメリットです。
なお、許可・不許可は個別事情の総合判断であり、以下の要件はあくまで目安です。
要件① 婚姻生活が3年以上続いている
戸籍上の婚姻期間ではなく、実態を伴う同居・婚姻生活の継続期間が問われます。別居・事実上の破綻期間はカウントされません。なお、申請者の元配偶者(日本人)が有責配偶者(DV・不貞等)である場合は、3年未満でも許可される可能性があります。
要件② 安定した収入・生計能力がある
入管庁が明確な基準を公示しているわけではありませんが、実務上は安定した就労実績と自立した生計能力が重視されます。就労していなくても、不動産収入・配当収入など安定した収入源が認められれば要件を満たす可能性があります。申請時点で就職先が決まっている場合も考慮されることがあります。
要件③ 最低限の日本語能力がある
明確なレベル基準は定められていませんが、申請書類の記述内容や、必要に応じて実施される面接での日本語運用能力が判断材料となります。
要件④ 公的義務を適正に履行している
納税・健康保険・年金などの公的義務の履行状況が審査されます。入管への届出義務(離婚後14日以内の届出等)の履行も含まれるため、届出を怠っていると審査に悪影響を及ぼします。
【例外要件】日本人との間に生まれた子どもがいる場合
元配偶者(日本人)との間に生まれた実子の親権を持ち、日本で監護・養育している場合は、「日本人の実子を監護・養育する者」として定住者ビザの対象となります。この場合、3年以上の婚姻期間要件は問われません。
この例外要件のチェックリスト
定住者ビザへの変更を検討されている方は、定住者・家族滞在ビザのサポートページもあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
配偶者ビザの根拠が失われた状態で6カ月以上経過すると在留資格が取り消される可能性があります。その後も在留を続ければ不法滞在となり、入管に身柄を拘束され、在留特別許可か強制退去の手続きがとられます。退去強制(初回)となった場合、退去の日から5年間は日本に入国できません(過去に退去歴のある方は10年)。
引き続き日本に在留することは可能ですが、婚姻期間が短いと変更できる在留資格が限られます。原則として婚姻生活3年以上が必要な定住者ビザへの変更は難しいため、就労ビザや留学ビザなど婚姻期間を問わない在留資格の取得を検討することになります。
非常に深刻な状況です。適法に在留できる離婚後6カ月の目安をすでに過ぎており、不法滞在となっている可能性があります。退去強制処分のリスクがありますが、まずはただちに最寄りの地方出入国在留管理局の窓口に出頭し、在留資格の変更手続きを相談してください。自主的な出頭は退去強制後の上陸拒否期間の短縮につながる場合があります(出国命令制度:1年)。手続きの方向性が不明な場合は、ビザ相談窓口で早急に状況を整理することをおすすめします。
婚姻中に永住ビザを申請しておくことが最も有効な備えの一つです。永住ビザは原則として10年以上在留(うち就労・居住資格で5年以上)・素行善良要件・独立生計要件等を満たせば申請でき、取得後は離婚しても在留資格に影響しません。なお、婚姻中は配偶者の収入を含めた世帯収入で独立生計要件を判断してもらえるため、婚姻中の申請が有利に働く場合があります。永住申請の条件について詳しくは永住ビザのサービスページをご覧ください。
法律上は可能です。2024年4月1日施行の改正民法(民法第733条削除)により、女性の再婚禁止期間(旧100日)は完全に廃止されました。離婚成立の翌日にでも再婚届を提出することができます。ただし、在留審査においては前婚の実態・新しい婚姻の真正性・生計能力などが総合的に審査されます。
入管法上、20万円以下の罰金が科される可能性があります。また、将来の在留資格変更・更新・永住申請で届出義務違反として不利益な扱いを受ける可能性があります。忘れてしまった場合でも、気づいた時点でできる限り速やかに届出を行い、その旨を申請時に説明することが重要です。
まとめ・次にやること
📌 重要ポイントの整理
未提出は罰金・将来の申請への不利益につながる
超過すると在留資格取消・不法滞在のリスクがある
離婚後すぐに再婚して配偶者ビザを申請することも選択肢の一つ
子どもの親権があれば婚姻期間不問で申請できる可能性がある
取得後は離婚の影響を受けない
状況に応じた専門家への相談をおすすめします
離婚後の在留資格手続きは、婚姻期間・収入・子どもの有無・現在の在留状況などによって最適な選択肢が大きく異なります。期限が迫っている場合や、自分の状況に当てはまる在留資格がわからない場合は、行政書士などの専門家に相談することで、適切な手続きをスムーズに進めることができます。
※ 制度・運用は変更される場合があります。最新情報は出入国在留管理庁公式サイトでも必ずご確認ください。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/permanent/
広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター
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記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応
講師実績
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中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
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