配偶者ビザには就労制限がない!働ける範囲や注意点をわかりやすく解説!

配偶者ビザには就労制限がありません。そのため、配偶者ビザを持つ外国人配偶者は、職種や雇用形態、就労時間を自由に決められます。
しかし、配偶者ビザを初回申請する外国人配偶者のなかには、そのような就労上のルールがわからない方も少なくありません。
そこで、本記事では、配偶者ビザで就労する際の特徴や配偶者ビザで就労する際の注意点について解説します。
配偶者ビザには就労制限がない
配偶者ビザを持つ外国人配偶者には、就労制限がありません。
就労制限とは、就労活動の可否や在留資格に基づく就労活動の範囲が法的な制約を受けることです。「就労制限なし」「一部就労制限あり」「就労不可」の3種類があります。
配偶者ビザは、「就労制限なし」に該当する在留資格です。そのため、配偶者ビザで在留している外国人配偶者は職種や雇用形態、就労時間を自由に決められます。たとえば、就労ビザのように、学歴によって就ける職種が決まっているわけではないため、専門職の仕事に就くことが可能です。
雇用形態では、パートタイマーとして働くことも、正社員としてバリバリ働くことも、経営者として活動することもできます。また、日本人配偶者の収入が多ければ、働かないという選択肢も選択可能です。
これらの利点は、雇用側にとっても、在留資格該当性*に気を使う必要がない点で、人材採用のインセンティブ(動機付け)として大きいといえるでしょう。
在留資格該当性:外国人が日本で行う予定の活動が具体的にどの在留資格に該当するかを判断する基準
配偶者が取得するビザの種類による就労制限の有無
日本人に限らず、日本に在留する外国人配偶者が取得できるビザの種類による就労制限の有無については、次のとおりとなっています。
| ビザの種類 | 就労制限の有無 |
| 日本人の配偶者等 永住者の配偶者等 定住者 | 無 |
| 家族滞在 | 有(就労不可) |
配偶者ビザで就労する際の特徴4選
配偶者ビザで就労する際の特徴には、次の4つがあります。
- 学歴や実務経験を問われない
- 自由に職種を選べる
- 雇用形態や就労時間の制限がない
- 就労の義務がなく、専業主婦も可能
これらの特徴を把握しておけば、配偶者ビザの取得に向けたモチベーションが上がるでしょう。ぜひ参考にしてください。
学歴や実務経験を問われない
配偶者ビザを持つ外国人配偶者は、就労時に学歴や実務経験を問われません。そのため、豊富な実務経験や国際的な実績がなくとも、正社員として働けたり、高収入の仕事に就けたりする可能性があります。
一方、就労ビザを取得するには、ビザの種類にもよりますが、大学や専門学校などの学歴や、10年以上の実務経験といった条件を満たす必要があります。裏を返せば、専門的な知識や経験に乏しい外国人は、就労ビザを取得できません。
自由に職種を選べる
配偶者ビザを持つ外国人配偶者は、職業の制限なく自由に職業を選べます。建築士や士業など専門性が必要な職業だけでなく、コンビニエンスストアのレジ打ちや工場の作業者など、単純労働にも従事可能です。
一方、就労ビザには、就労制限があり、自由に職業を選択できません。たとえば、「技術・人文知識・国際業務」ビザを持つ外国人は、エンジニアやマーケティング担当者、通訳者など、専門性を有する一部の職種しか就けません。
これらを踏まえると、配偶者ビザを有する外国人配偶者は、転職の自由度が高く、柔軟なキャリア形成が可能といえるでしょう。
雇用形態や就労時間の制限がない
配偶者ビザを持つ外国人配偶者には、雇用形態や就労時間の制限がありません。
実際、雇用形態の観点では、当該外国人配偶者は、正社員だけでなく、パートやアルバイト、契約社員、フリーランスなど、希望とする働き方を選択可能です。また、就労時間の観点では、状況に合わせて週40時間のフルタイムで働くことも、短時間のパートタイマーとして働くことも可能となっています。
一方、ほかのビザでは、雇用形態や就労時間の面でさまざまな制約があります。たとえば、家族滞在ビザで日本に在留している外国人は、基本的に就労できません。資格外活動の許可を得ることで、週28時間までの範囲内で働けますが、パートタイマーとしての就業に限られます。
これらを踏まえると、配偶者ビザを有する外国人配偶者は希望とするライフスタイルに合わせて柔軟に働き方を選べるため、仕事と家庭の両立もしやすいでしょう。
就労の義務がなく、専業主婦も可能
配偶者ビザを持つ外国人配偶者には、就労の義務がありません。そのため、当該外国人配偶者は、就労するかしないかを任意で判断できます。
一方、就労ビザは、特定の会社で就労することを目的としたビザです。そのため、就労しなくなった場合はその目的が失われるため、他のビザに変更したり、帰国したりしなければなりません。
これらを踏まえると、配偶者ビザを持つ外国人配偶者は、世帯全体で、十分に生活を送れるだけの収入があれば、専業主婦(主夫)という選択肢も選べるといえるでしょう。結果、子育てにも専念しやすいと考えられます。
配偶者ビザで就労する際の注意点
配偶者ビザで就労する際の注意点には、次の4つがあります。
- 就労制限をなくすためには国際結婚後に配偶者ビザに変更することが必要
- 世帯全体で生活を継続するだけの収入確保が重要になる
- 風俗営業等の職種は在留資格の更新が難しくなる可能性がある
- 死別や離婚で資格を失う可能性がある
特に風俗営業等の職種に就くことによる弊害は盲点になり得ます。くれぐれもご注意ください。
就労制限をなくすためには国際結婚後に配偶者ビザに変更することが必要
日本人と結婚した外国人配偶者のなかには、就労制限がないというメリットに魅力を感じている方が少なくありません。
しかし、日本人と結婚したからといって、自動的に配偶者ビザを取得できるわけではない点に注意が必要です。どんなビザであっても、日本人との結婚を機に配偶者ビザの取得を希望する外国人は、最寄りの地方出入国在留管理局(入管)で在留資格変更許可申請をする必要があります。
世帯全体で生活を継続するだけの収入確保が重要になる
配偶者ビザを持つ外国人配偶者には就労する義務がありませんが、当該外国人配偶者は世帯全体で生活を継続するだけの収入を確保しなければなりません。配偶者ビザの本旨は「日本人配偶者との生活の維持」であるためです。
仮に夫婦双方が無職で収入がない場合、日本での生活継続が困難とみなされ、配偶者ビザの更新が難しくなる可能性があるでしょう。
配偶者ビザを維持できる収入額は明確に公開されていませんが、一般的には世帯全体で少なくとも年間240万円から300万円の収入が必要だとされています。扶養する子どもや同居家族がいる場合は、扶養者一人につき約70万円が加算されます。
ただし、親から多額の経済的援助を受けていたり、持ち家を持ったりしていることで、低収入でも夫婦生活が維持できることを証明できれば、基準額に満たなくても配偶者ビザを取得できる場合があります。
風俗営業等の職種は在留資格の更新が難しくなる可能性がある
配偶者ビザを持つ外国人配偶者が風俗営業等の職種に就いている場合、ビザの更新が難しくなる可能性があります。風俗営業等の職種は、入管審査で、「日本人配偶者との生活を維持するうえで、なぜその仕事に就く必要があるのか」という疑問を持たれる可能性があるためです。
風俗営業等の職種に就く必要がある場合は、ビザ更新の際に詳細な理由を記載した理由書を提出する必要があるでしょう。
死別・離婚で資格を失う可能性がある
配偶者ビザを持つ外国人配偶者は、配偶者との死別や離婚などにより、ビザが失効する可能性があります。配偶者ビザは、日本人との婚姻関係の継続が前提となるためです。
したがって、配偶者との死別や離婚をした場合は、ビザを維持できず、就労状況によっては失職する可能性があります。そのため、配偶者との死別や離婚をした外国人は、就労ビザや定住者など、別のビザへの変更を検討する必要があるでしょう。
配偶者ビザで就労する際によくある質問
最後に配偶者ビザで就労する際によくある質問とその回答について解説します。
Q.家族滞在ビザには就労制限がありますか?
家族滞在ビザには、就労制限がありません。ただし、資格外活動の許可を得れば、週28時間以内のアルバイト等に従事することができます。
資格外活動の許可を得て従事できるアルバイトは、コンビニや飲食店の店員など単純労働が中心です。しかし、性風俗を含む、風営法で「風俗営業」と指定されている業種で働くことは禁止されています。
Q.来日直後ですが、アルバイトでも働けますか?
配偶者ビザを持つ外国人配偶者は来日直後でも、アルバイト等に従事できます。
就労制限がないため、アルバイトとして勤務する際に、別途、資格外活動許可を取得する必要はありません。前述のとおり、就労時間に制限もないため、フルタイムのアルバイト労働者として働くことも可能です。
Q.転職した場合、勤務先変更に関する届出が必要ですか?
配偶者ビザを持つ外国人配偶者は転職時に、勤務先変更に関する届出を入管等にする必要はありません。
ここでいう勤務先変更に関する届出とは、所属(契約)機関に関する届出です。外国人配偶者は、就労ビザを持つ外国人と違い、所属期間に関する届出を入管に届け出る必要がありません。
しかし、配偶者ビザを持つ外国人は配偶者と離婚・死別した場合、14日以内に法務省令で定める手続きに基づき、配偶者に関する届出を入管に届け出なければなりません。
Q.配偶者ビザで起業はできますか?
配偶者ビザを持つ外国人配偶者は、起業できます。経営管理ビザでは一定以上の出資額や雇用が必要ですが、当該外国人配偶者は、投資規模や雇用人数が問われません。
ただし、配偶者ビザは日本人との結婚生活を維持するためのビザであるため、自社経営の都合での別居は困難です。経営管理ビザほど厳格ではないものの、更新申請の際に経営状況がチェックされる点にも注意しなければなりません。
まとめ
配偶者ビザを持つ外国人配偶者は、就労について大きな自由が与えられています。具体的には、就労ビザと違い、職種や雇用形態、就労時間に制約がないため、柔軟にキャリアを形成できたり、希望するライフスタイルで働けたりするメリットを享受できるでしょう。
他方で、配偶者ビザは入管審査が厳しいことで知られています。許可率は公表されていませんが、厳しい審査により、配偶者ビザの在留申請が不許可になった方は少なくありません。
そのため、配偶者ビザの新規申請や更新申請に際しては、行政書士をはじめとした在留資格の専門家に協力を仰ぐことをおすすめします。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/permanent/
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https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/naturalization/
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Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応
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広島外国人ビザ相談センター https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター https://eightlinks.link/marriage/
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