技能実習生の受け入れガイド|第1号~第3号技能実習の流れと注意点【広島県企業向け】

第1号技能実習(1年目)|受入れの準備と入国までの手続き
第1号技能実習は、技能実習制度の入口として最も重要な段階です。実習計画の認定や在留資格手続きなど、受入れ企業の準備が結果を大きく左右します。広島県で多い実務ポイントを踏まえながら、1号実習の全体像と注意点をまとめます。
第1号技能実習は、外国人技能実習生が日本で技能を学び始める最初の1年間を指します。この段階では、企業(実習実施者)と監理団体が協力して「技能実習計画」を作成し、技能実習機構の認定を受けることが不可欠です。実習計画には、習得させる技能内容、指導計画、実習工程表、生活支援体制などが含まれ、曖昧な内容や制度上の作業に該当しない内容があると、認定が下りず差し戻しとなります。
計画認定後、監理団体が技能実習生を送り出す海外の機関と連携し、実習生の選抜が進みます。その後、企業側で最も重要な手続きが 在留資格認定証明書交付申請(COE申請) です。申請先は企業所在地ではなく「実習生を受け入れる企業の所在地を管轄する地方入管」となります。広島県の企業であれば、通常は広島出入国在留管理局が申請窓口となります。
在留資格申請では、企業の事業内容、実習内容、実習生の技能レベルや適格性を示す資料を多く提出する必要があり、不備があると追加資料や不許可につながります。広島県では特に「実習内容の具体性不足」「企業の管理体制に関する説明不足」により、差し戻しとなるケースがしばしば見られます。
在留資格が許可されると、実習生は「技能実習1号ロ」として入国します。入国後は、講習(法的保護講習を含む)を受け、その後、企業での実習が開始されます。講習期間中に日本の労働法・生活ルールを理解してもらうことが、後のトラブル防止に役立ちます。
第1号実習の成功は、制度全体を通じた成功の鍵です。計画の質、書類の正確性、入国後の支援体制が整っているほど、第2号・第3号へのスムーズな移行につながります。広島県企業においても、初年度の準備不足が原因で後の更新が認められない事例があるため、早期からの専門家活用が重要です。
第2号技能実習(2〜3年目)|継続受入れのための審査と実習計画のポイント
第2号技能実習は、1号で一定の技能習得を終えた実習生が、より高度な技能を段階的に身につけるためのステップです。広島県で継続受入れを行う企業は、試験合格と実習計画の再認定が必要となるため、準備の質が許可の可否を左右します。
第2号技能実習へ進むためには、実習生が「技能実習1号」で設定した目標を達成していることを証明する必要があります。そのため、技能検定試験(またはこれに相当する試験)を受験し、一定の基準を満たすことが必須 です。試験内容は職種や作業ごとに異なり、合格率も業界によって差が出るため、企業側のサポート体制が非常に重要です。
広島県内では、製造・食品加工・建設など複数の業種で技能実習が活用されていますが、職種により検定試験会場が県外になるケースもあります。そのため、移動や宿泊の手配が必要になることも多く、実習生が安心して試験に臨めるよう企業側の配慮が求められます。
試験合格後は、改めて 技能実習計画(2号ロ)の認定申請 を行います。ここでは「1号実習で習得した技能をどう発展させるのか」を明確に示す必要があります。計画の不備や説明不足があると、技能実習機構から差し戻しが発生し、在留資格変更に間に合わないリスクがあります。
認定後は、入管で 在留資格変更許可申請(技能実習1号ロ → 2号ロ) を行います。申請先は実習生が住む地域を管轄する入管であり、広島県に住む実習生は「広島出入国在留管理局」が窓口となります。県外で就業する場合でも、住所地が広島であれば申請先は広島となるため、手続き案内には注意が必要です。
審査では、以下の点がチェックされます:
- 1号実習で設定した目標の達成状況
- 実習計画の内容(実現性・具体性)
- 実習実施者(企業)の管理体制
- 監理団体の指導状況
不備があれば不許可となり、実習生は継続勤務できません。慎重な準備が不可欠です。
第3号技能実習(4〜5年目)|優良な実施主体だけが進める最終ステップ
第3号技能実習は、技能実習制度の中でも最終段階にあたる制度です。企業・監理団体ともに「優良な実施主体」と認められなければ進むことができません。広島県での受入れでも要件は同様で、特に実習管理体制の評価が重視されます。
第3号技能実習へ進むには、まず 2号実習と同じ職種・作業であること が必須です。職種変更は認められないため、初期の受入れ段階で長期的な人材育成計画を描いておくことが理想です。
そして大きな要件として、実習生本人は 技能検定試験(専門級またはこれに相当する試験)に合格 していなければなりません。試験は高度になり、実技・学科ともに難易度が上がるため、企業側の技能指導体制や進捗管理が重要になります。
加えて、企業(実習実施者)と監理団体の双方が 「優良な実施主体」 として認定されている必要があります。優良要件は以下の観点で総合的に判断されます:
- 法令違反がないこと
- 実習計画の適切な運用
- 実習生への指導体制
- 監理費用・待遇などの適正管理
広島県内でも、優良認定を得て第3号実習へ進む企業は年々増えていますが、未整備の体制が原因で認定が得られない企業も存在します。
第3号実習の手続きは以下の流れで進みます。
- 技能検定の受験・合格
- 技能実習計画(3号ロ)の認定申請
- 2号実習終了後、1か月以上の一時帰国
- 3号ロとして再来日(企業が旅費を負担)
一時帰国は原則義務であり、企業側が費用を負担します。この帰国期間中に、企業は住居・勤務体制の再確認を行い、実習生のスムーズな復帰をサポートすることが求められます。
第3号実習は5年間の制度の最終段階であり、技能定着・人材育成の効果が最も大きく現れる時期でもあります。
▼ 技能実習(1号〜3号)の比較表
| 項目 | 第1号技能実習(1年目) | 第2号技能実習(2〜3年目) | 第3号技能実習(4〜5年目) |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 基礎技能習得 | 応用技能の習得 | 高度技能の定着 |
| 必要要件 | 実習計画認定・在留資格認定 | 試験合格・計画再認定・在留資格変更 | 試験合格・優良認定・計画再認定・一時帰国 |
| 申請窓口 | 技能実習機構/入管 | 技能実習機構/入管 | 技能実習機構/入管 |
| 在留資格 | 技能実習1号ロ | 技能実習2号ロ | 技能実習3号ロ |
| 手続きの複雑さ | 中 | 高 | 非常に高 |
| 企業側の負担 | 中 | 高 | 最も高い(旅費負担など) |
技能実習制度の基本構造と広島県での活用状況
技能実習制度は、日本国内の労働力不足の補填ではなく、開発途上国への技能移転を目的とした国際協力制度です。広島県でも多くの企業が導入していますが、制度の趣旨や仕組みを誤解すると不適正運用につながるため、まずは全体像を正しく理解する必要があります。
技能実習制度は「技能移転による国際貢献」を目的とした制度であり、単純労働の確保や安価な労働力の獲得を目的とするものではありません。制度は技能実習法によって厳しく管理されており、企業(実習実施者)と監理団体(協同組合)は、それぞれに明確な責務を負います。
広島県では製造業・食品加工業・縫製・介護分野を中心に技能実習生が受け入れられています。特に備後地域(福山周辺)は縫製・鉄工関連で活用が多く、広島市周辺では食品加工・介護が増加傾向です。いずれも地域産業を支える重要な人材となっています。
制度の構造は3段階(1号→2号→3号)に分かれ、最大5年間の実習が可能です。各段階ごとに認定や試験の要件が厳格に定められています。企業は実習内容が制度の趣旨に適合しているか、受け入れ体制は整っているかなど、多角的に準備を進める必要があります。
誤解されやすい点は「どんな業務でも技能実習生が担当できるわけではない」という点です。制度に登録された職種・作業に限定されており、許可されていない業務に従事させると法令違反となり、企業は改善命令や受入れ停止の処分を受ける可能性があります。
広島県で技能実習を適正に運用するには、制度の目的、手続きの構造、法的責任を理解したうえで受入れ計画を立てることが重要です。
受入れ前に確認すべきポイント|監理団体選びと実習内容の適合性
技能実習の成功は「受け入れ前の準備」に大きく左右されます。特に重要なのが監理団体の選定と、実習内容が制度に適合しているかの確認です。広島県での受入れでも、これらの準備不足によるトラブルが多く発生しています。
監理団体は技能実習制度の要であり、企業に対し指導・助言・監査を行う立場にあります。しかし団体によって質に大きな差があり、企業側が不適切な団体を選んでしまうと、実習計画の不備や管理不足によるトラブルが生じやすくなります。
優良な監理団体かどうかは、以下で判断できます:
- 法令違反歴の有無
- 外部監査人による監査報告書の品質
- 実習計画への具体的なアドバイスがあるか
- 受入れ企業・実習生からの評価
広島県内では、複数の監理団体が活動していますが、行政指導を受けた団体も少なくなく、団体選定は慎重に行う必要があります。
次に重要なのが「実習内容の適合性」です。技能実習は登録職種・作業に限定されるため、企業が希望する業務が該当しなければ受け入れはできません。例えば、工場内での検品作業が「単純労働」と判断されると制度上認められず、在留資格の不許可につながります。
企業は、監理団体と連携しながら「実習の目的は何か」「どの技能をどの段階で習得させるか」を明確に整理し、その内容に基づき受入れ計画を立てる必要があります。ここを曖昧にすると、後の計画認定で差し戻しになる可能性があります。
監理団体選びと実習内容の適合性を確認することは、技能実習を成功させるための必須条件です。
技能実習計画の作り方|差し戻しを防ぐ実務ポイント
技能実習計画は制度の中心となる重要書類であり、内容が曖昧だったり、実習の目的・工程が整理されていないと、技能実習機構で差し戻しとなります。広島県企業で特に多いエラーを整理し、適切な計画作成のポイントを紹介します。
技能実習計画には、実習の目的、具体的な技能内容、指導体制、生活支援体制、実習工程表などが含まれます。これらが不十分だと認定されず、入国スケジュールが遅れ、企業の計画に大きな影響が出ます。
広島県企業で多い差し戻し理由は以下です:
- 実習内容が制度上の“該当作業”と一致していない
- 技能レベルの設定に無理がある
- 指導体制に具体性がない
- 実習工程表が曖昧で実現性が低い
- 日本語学習・生活支援の計画が不足
技能実習機構は、制度の趣旨に反する運用を防ぐため、計画の実現性を厳しくチェックします。実習工程も「1号で基礎技能 → 2号で応用 → 3号で定着」と、段階的な成長が求められます。
計画作成では、監理団体に丸投げせず、企業自身が「どの技能をどの順序で教えるか」を明確にすることが重要です。実務に沿ったリアルな工程を提示すれば、認定率が大幅に向上します。
実務で発生しやすいトラブルと防止策
技能実習では、制度理解不足や企業の管理体制の不足により、さまざまなトラブルが発生することがあります。広島県企業で実際に相談が多い内容をもとに、事前に防ぐためのポイントを整理します。
技能実習の現場でよくあるトラブルは以下の通りです:
- 実習計画と違う作業をさせてしまう(計画逸脱)
- 労働時間・残業管理の不備
- 実習生の生活支援不足による離脱
- 日本語能力不足によるミスコミュニケーション
- 監理団体との連携不足
計画逸脱は最も多いトラブルの一つで、技能実習法違反として行政指導を受けることがあります。企業内の担当者が制度を理解していないまま指示を出してしまうケースが多いため、社内研修や担当者の固定化が重要です。
残業管理では、労働基準法違反となるケースが全国的に問題視されています。広島県でも行政指導が行われた例があり、特に繁忙期の管理体制が求められます。
また、生活支援が不十分だと、実習生のストレスやトラブルの原因になります。住居、医療、地域生活のサポート体制を整えることが離脱防止の鍵です。
監理団体との連絡不足もトラブルを招きます。月次監査・定期面談を活用し、実習生の状況を常に把握することで、早期の問題発見と対応が可能になります。
まとめ|技能実習の適正運用は「制度理解」と「準備力」が鍵
技能実習制度は、単なる人手不足対策ではなく「技能移転による国際貢献」という目的を持つ制度です。そのため、広島県で技能実習生を受け入れる企業にとっても、制度の趣旨を理解しながら適切に運用することが求められます。第1号から第3号まで、それぞれの実習段階に応じて必要な手続きと要件が異なり、計画書の作成・試験受験・在留資格申請など、いずれも専門性の高い準備が必要です。
特に、技能実習計画の認定は不備があると差し戻しが発生し、その後の在留資格手続きにも影響が出ます。また、第2号・第3号へ進む際の試験や優良認定の取得は、企業の管理体制や監理団体の品質によって結果が左右されます。広島県内でも、制度を十分に理解した企業は安定した受入れに成功していますが、準備不足により更新が認められない事例も見られます。
技能実習の受入れに不安がある企業様は、早い段階で専門家へ相談することが最善です。弊所には、技能実習制度に精通し「監理団体の外部監査人資格を持つ行政書士」も在籍しており、制度理解・計画作成・入管手続きまで総合的にサポート可能です。広島県での適正な実習運用を進めたい企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/permanent/
広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター
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記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
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専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応
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