特定技能2号で家族帯同はできる?申請に必要な条件や注意点を解説!

特定技能2号は、11分野の職種で熟練した技術を持つ外国人に認められる在留資格です。在留期間に上限がないうえに、要件を満たせば配偶者や子どもとの帯同も可能となっています。

しかし、特定技能2号外国人が家族帯同を認められるためには、さまざまな要件をクリアしなければなりません。要件をクリアできなければ、配偶者や子どもの呼び寄せに必要な家族滞在ビザを取得できない可能性があります。

こうした実情を踏まえ、本記事では、特定技能2号外国人が家族滞在ビザを申請するために必要な条件のほかに、家族滞在ビザの申請要件で注意すべきポイントについて解説します。家族滞在ビザの申請手続きの流れや、特定技能1号外国人の家族が、特定活動ビザを取得して同居できる条件についても解説するため、参考にしてください。

特定技能外国人の家族帯同の可否

はじめに特定技能外国人の家族帯同の可否について解説します。

特定技能1号の家族帯同

特定技能1号は、特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。

特定技能1号外国人には、家族の帯同が認められていません。

ただし、特定技能外国人同士に子どもが生まれ、母子が離れることが望ましくないと判断された場合など、人道上配慮すべき事由がある場合は、例外的に「特定活動」として帯同ができるケースがあります。

特定技能2号の家族帯同

特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。

特定技能2号外国人には、配偶者・子どもの帯同が認められています。帯同する家族が申請する在留資格の種類については、家族滞在ビザです。家族滞在ビザの在留期間は、5年を超えない範囲となっています。

特定技能2号外国人が家族帯同を申請するために必要な条件

特定技能2号外国人が家族帯同(家族滞在ビザ)を申請するために必要な条件は次の3つです。

  • 婚姻関係をしっかり証明できる
  • 家族を養える十分な経済力を持っている
  • 子どもの養育計画が明確にある

これらの条件を押さえれば、家族滞在ビザの申請が通りやすくなります。ぜひ参考にしてください。

婚姻関係をしっかり証明できる

配偶者・子どもの家族帯同を認めてもらうためには、配偶者と日本の法律上の婚姻関係が成立していなければなりません。内縁関係や婚約などは、婚姻関係が成立していると認められない点に注意が必要です。

家族を養える十分な経済力を持っている

配偶者・子どもの家族帯同を認めてもらうためには、本国にいる家族を呼び寄せる特定技能2号外国人が家族を養える十分な経済力を持っていることを証明しなければなりません。

経済力については、特定技能2号外国人の職業と収入額を明らかにした「在職証明書」の写しと住民税の課税証明書・納税証明書によって証明します。

家族を養える十分な経済力に相当する収入額は、基準が厳密に決まっているわけではありません。ただ、特定技能2号外国人は日本人と同等以上の賃金を受け取ることが原則とされているため、経済力の条件は問題なくクリアできるでしょう。

子どもの養育計画が明確にある

配偶者・子どもの家族帯同を認めてもらうためには、子どもの養育計画を明確に設定していなければなりません。

養育計画の設定は、特に帯同を希望する子どもが成年またはもうすぐ成年になる未成年の場合に必要です。子どもが成年の場合は、入管審査で扶養する必要性を問われる場合があるためです。

特定技能2号外国人は未成年か成年かにかかわらず、子どもを帯同させられますが、同時に子どもが長期的に日本で滞在することを考えなければなりません。

そのため、「家族帯同」を審査する地方出入国在留管理局(入管)は、特定技能2号外国人本人に子どもの養育計画の策定を求めているというわけです。

特定技能2号で家族滞在が可能な家族の範囲は?

特定技能2号外国人の家族が家族滞在ビザで日本での滞在を認められる家族の範囲は、申請者の配偶者と子どもまでです。両親や兄弟、祖父母、親戚などは日本に呼び寄せられないため、注意しましょう。

家族滞在ビザで日本での滞在を認められる子どもは、婚姻中の夫婦に生まれた嫡出子だけではありません。婚姻関係にない男女の間に生まれた非嫡出子も、認知していれば、帯同が認められます。

ただし、再婚相手の連れ子の場合は養子縁組を結んでいなければ、帯同が認められません。

家族帯同(家族滞在ビザ)の申請手続き

ここからは、家族帯同(家族滞在ビザ)の申請手続きの流れや必要書類などについて解説します。

申請のタイミング

特定技能2号外国人の家族は、要件や滞在年数の要件を満たしていれば、いつでも申請可能です。

ただし、特定技能2号外国人が入国して間もないタイミングは、入管審査で、実績の有無の観点から扶養能力に疑義を持たれ、申請が不許可になる可能性があります。

また、家族滞在では、入管審査に1〜3カ月程度かかるため、申請者はすぐに入国できません。提出書類の準備や審査期間から逆算すると、要件を満たしてから数カ月がかかる可能性があります。

申請の流れ

特定技能2号外国人が本国にいる家族を「家族滞在」で呼び寄せる際の流れは次のとおりです。

  1. 特定技能2号外国人本人が家族滞在ビザの認定証明書交付申請をする

必要書類を集めた後、特定技能2号外国人本人が、最寄りの入管で、本国にいる配偶者や子どもの家族滞在ビザの在留資格認定証明書交付申請をします。

  1. 在留資格認定証明書を本国にいる家族へ国際郵送する

在留資格認定証明書の審査が完了した後、特定技能2号外国人は同証明書を本国にいる家族宛てに国際郵送します。

  1. 本国にいる家族が日本大使館(領事館)へ査証の発給申請をする

本国の家族は在留資格認定証明書を受け取った後、母国にある日本大使館・総領事館で、査証(VISA)の発給申請をします。国によっては、ご家族本人による発給申請を受け付けず、査証発給申請代行機関を通してしか申請できない場合があるため、ご注意ください。

  1. 日本へ入国し空港で在留カードを受け取る

査証(VISA)が発給されたら、本国の家族は、発給の翌日から3カ月以内に日本へ入国します。入国後は、空港窓口で在留資格認定証明書と引き換えに発行される*在留カードをを受け取ってください。

*空港での上陸許可時に在留カードが発行されるのは、成田、羽田、中部、関西、新千歳、広島、福岡の7空港に限られます。

必要書類

最寄りの入管で、在留資格認定証明書交付申請する際に必要な書類は次のとおりです。

在留資格認定証明書交付申請書 1通 写真 1葉 返信用封筒 1通 次のいずれかで、申請人と扶養者との身分関係を証する文書 戸籍謄本 1通 婚姻届受理証明書 1通 結婚証明書(写し) 1通 出生証明書(写し) 1通 上記1〜4までに準ずる文書 適宜 扶養者の在留カードまたは旅券(パスポート)の写し 1通 扶養者の職業および収入を証する文書 扶養者が収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行っている場合 在職証明書または営業許可書の写し等 1通 住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書(1年間の総所得および納税状況が記載されたもの) 各1通 扶養者が上記1以外の活動を行っている場合 扶養者名義の預金残高証明書または給付金額および給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書 適宜 上記aに準ずるもので、申請人の生活費用を支弁できることを証するもの 適宜

出典:出入国在留管理庁「在留資格「家族滞在」

申請者本人以外が申請書類を提出する場合、提出者は身分を証する文書(会社の身分証明書等)を提示する必要があります。

申請から許可までの期間

家族滞在ビザの在留資格認定証明書の申請から上陸(日本入国)許可までの期間は次のとおりです。

在留資格認定証明書交付申請の審査期間:1カ月〜3カ月 ビザの査証申請の審査期間:受理後約1週間 ビザ発給から上陸許可まで:ビザ発給の翌日から3カ月以内

本国の家族は入管や日本大使館での審査以外に、日本へ引っ越すための準備をしなければなりません。

そのため、日本にいる特定技能2号外国人による在留資格認定証明書交付申請から、本国にいる家族による日本入国まで、半年くらいはかかると見込んでおくと良いでしょう。

家族滞在ビザの申請要件で注意すべきポイント

家族滞在ビザの申請要件で注意すべきポイントには、次の3つがあります。

  • 婚姻関係にパートナーシップは含まれない
  • 「扶養を受けている状態」には明確な条件がある
  • 養子・実子は問わない

これらのポイントを押さえれば、家族滞在ビザの申請が不許可になる可能性が低くなります。ぜひ参考にしてください。

婚姻関係にパートナーシップなどは含まれない

前述のとおり、家族滞在ビザにおける婚姻関係には、婚約や内縁関係、パートナーシップなどは含まれません。

家族滞在ビザにおける婚姻関係に含まれるのは、日本の法律上の婚姻関係が成立した状態のみです。

こうした申請要件に基づき、特定技能2号外国人は、法律上の婚姻関係の成立を証明するため、必要書類の一覧にも記載のある、婚姻届受理証明書や結婚証明書などの証明書類を提出しなければなりません。

「扶養を受けている状態」には明確な条件がある

特定技能2号外国人の配偶者や子どもに求められる「扶養を受けている状態」には、明確な条件があります。

まず日本で就労している当該外国人は、家族を扶養するだけの能力がなければなりません。そのうえで、原則として扶養する配偶者や子どもと同居している必要があります。

一方、扶養を受ける配偶者や子どもは、扶養者である当該外国人へ経済的に依存していなければなりません。当該外国人に経済的に依存していなければ、配偶者や子どもは就労ビザを取得する必要があります。

子どもが成人している場合は提出書類が必要となる

子どもが成人している場合は、提出書類が必要となる場合があります。日本の民法上、父母の子どもに対する扶養義務は原則として、子どもが成人すると終わるうえに、成人済みであれば、子ども自身が就労ビザを取得することが可能なためです。

こうした背景を踏まえ、入管審査では、来日の目的や経済状況、提出書類などをもとに、成人済みの子どもが家族滞在ビザを取得するにふさわしいかが判断されます。

特定技能1号外国人の家族が「特定活動」ビザで同居できる条件

冒頭で申し上げたとおり、特定技能1号外国人は、家族の帯同が認められていません。しかし、当該外国人の家族は、「特定活動」ビザを申請すれば、同居できる可能性があります。

このような条件を踏まえ、ここからは、当該外国人の家族が「特定活動」ビザのもとで同居できる条件について、次の2つのケースに分けて、解説します。

  • 特定技能1号ビザを取得する前から日本国内で婚姻が成立していた場合
  • 特定技能1号ビザを持つ夫婦の間に子どもが生まれた場合

それぞれ解説するため、参考にしてください。

特定技能1号ビザを取得する前から日本国内で婚姻が成立していた場合

特定技能1号ビザを取得する前から日本国内で婚姻が成立していた場合は、特定技能1号外国人の家族に特定活動ビザの発行が認められるケースがあります。

このケースで、特定活動ビザの発行が認められるためには、特定技能1号外国人が次の3つの要件をクリアしていなければなりません。

  1. 中長期在留者(3カ月以上の在留許可を持つ外国人)として日本に滞在
  2. 特定技能1号ビザへの資格変更前から、配偶者と婚姻関係にある
  3. 配偶者と子どもが家族滞在ビザで日本に居住している

これらの要件を満たすケースは、就労ビザや留学ビザなどで来日し、家族滞在を持つ配偶者や子どもと同居していた外国人が、特定技能1号ビザに変更する場合が該当します。

特定技能1号ビザを持つ夫婦の間に子どもが生まれた場合

特定技能1号ビザを持つ夫婦の間に子どもが生まれた場合は、特定技能1号外国人の家族に特定活動ビザの発行が認められるケースがあります。

このケースでは、両親が子どもの出生後も日本での在留が見込まれることが条件となります。

特定技能の家族帯同申請でよくある質問(FAQ)

最後に特定技能の家族帯同申請でよくある質問とその回答について解説します。

Q.特定技能2号に移行すれば必ず家族を呼べますか?

特定技能2号に移行すれば、必ず配偶者や子どもを呼び寄せられるわけではありません。前述のとおり、特定技能2号外国人の家族が家族滞在ビザを取得するためには、当該外国人の経済力をはじめとした所定の要件をクリアする必要があるためです。

所定の要件をクリアして初めて、配偶者と子どもに家族滞在ビザが交付され、当該外国人は家族を日本に呼ぶことができます。逆に要件をクリアできなければ、家族滞在ビザの申請が不許可になる可能性が高いといえるでしょう。

Q.特定技能2号外国人本人が帰国している間、家族だけ残ることはできますか?

特定技能2号外国人が帰国する場合は、家族滞在ビザを持つ家族も一緒に帰国しなければなりません。

扶養者の一時帰国自体は基本的に自由で、裁量が認められています。しかし、当該外国人は家族だけを日本に残して帰国することはできません。

Q.犯罪歴や前科があると家族帯同が認められにくくなりますか?

特定技能2号外国人の配偶者や子どもに犯罪歴や前科があると、家族滞在ビザが取得しにくくなります。

そのため、当該外国人の配偶者や子どもは家族滞在ビザの発行を申請する際に、軽微な犯罪歴であっても申告しなければなりません。犯罪歴を申告し忘れたり、犯罪歴を隠したりした場合、家族滞在ビザの申請が不許可になる可能性があります。

Q.帯同している家族は働けますか?

特定技能2号外国人に家族滞在ビザで帯同している家族は、資格外活動の許可が下りれば、日本でアルバイトすることができます。

資格外活動とは、現在の在留資格に属さない収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動です。家族滞在ビザが発行されている状態で、アルバイトやフリーランス活動などの資格外活動をすると、当該外国人に帯同している家族は不法就労とみなされる可能性があります。

しかし、資格外活動許可を取得すれば、当該外国人に家族滞在ビザで帯同している家族は、アルバイトとして働くことが可能です。

まとめ

特定技能1号外国人は原則として家族帯同が認められませんが、特定技能2号外国人は、家族滞在ビザの要件を満たせば、配偶者や子どもとの帯同が認められます。

一方、家族滞在ビザを取得するうえでは、正確な要件確認と書類準備が必要不可欠です。もし家族滞在ビザの申請で不安を抱えている特定技能2号外国人の方は、行政書士をはじめとした在留資格の専門家に相談することをおすすめします。相談を経て専門家の支援を得られれば、家族滞在ビザを取得できる可能性が高くなるでしょう。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
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