特定技能1号と2号の違いとは?在留期間や技能水準など6つの観点から解説!

2019年から制度が開始された在留資格「特定技能」には、特定技能1号と特定技能2号の2種類があります。多くの方は特定技能1号として働いていますが、特定技能2号に移行できれば、無制限の在留期間や家族帯同の許可など、さまざまなメリットを享受できます。

本記事では、そんな特定技能1号と特定技能2号の違いについて、在留期間や技能水準など、6つの観点から解説します。特定技能1号と特定技能2号の共通点や、特定技能1号の取得方法についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

特定技能ビザとは?

特定技能ビザは、人材確保が困難な状況にある産業上の分野で、一定の専門性・技能を有する即戦力の外国人を受け入れることを目的とした在留資格です。2018年に可決・成立した改正出入国管理及び難民認定法により創設され、2019年4月から制度運用が始まりました。

特定技能ビザは、特定技能1号と特定技能2号に大別されます。

特定技能1号とは?

特定技能1号は、特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する従事する外国人向けのビザです。

特定技能1号による外国人の受け入れ分野(特定産業分野)は、次の16分野です。

介護 ビルクリーニング 工業製品製造業 建設 造船・船用工業 自動車整備 航空 宿泊 自動車運送業 鉄道 農業 漁業 飲食料品製造業 外食業 林業 木材産業

出典:出入国在留管理庁「特定技能1号の各分野の仕事内容

特定技能2号とは?

特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けのビザです。

特定技能2号による外国人の受け入れ分野(特定産業分野)は、次の11分野です。

ビルクリーニング 工業製品製造業 建設 造船・船用工業 自動車整備 航空 宿泊 農業 漁業 飲食料品製造業 外食業

出典:出入国在留管理庁「特定技能2号の各分野の仕事内容

特定技能1号と2号の違い6選

ここからは、特定技能1号と2号の違いについて、次の6つのポイントごとに解説します。

  • 在留期間
  • 分野(業種)
  • 技能水準
  • 外国人支援の必要性
  • 家族帯同の可否
  • 日本語能力

差異に着目しながら解説するため、ぜひ参考にしてください。

在留期間

特定技能1号は最長1年間の在留期間が認められ、通算で5年間滞在できます。

一方、特定技能2号は1度で最長3年間の在留が認められるうえに、更新し続ければ日本に無制限に在留可能です。

つまり、特定技能2号は更新し続ければ、日本にずっと在留できます。長期間在留する過程で、永住権申請の要件の一つである10年以上の在留要件を充足でき、永住権を取得することも可能です。

分野(業種)

特定技能1号は介護やビルクリーニングなど16分野に就業できますが、特定技能2号は介護と自動車運送業、鉄道、林業、木材産業に従事できません。

特定技能2号の受け入れ分野は創設当初、建設と造船・造船・船用工業の2分野でした。2023年8月31日に出入国管理及び難民認定法に関連する改正省令の施行により、現行の11分野に拡大されました。国内の人手不足が加速するなかで、特定技能2号の受け入れ業種は今後も拡大する可能性があります。

なお、特定技能1号の受け入れ業種にあたる介護の外国人労働者は、国家資格「介護福祉士」の取得をはじめ、いくつかの要件を満たせば、在留資格「介護」への変更申請を行えます。

技能水準

特定技能1号と特定技能2号はいずれも試験で技能水準が確認されますが、2号のほうがより高度な技能を求められます。

特定技能1号:特定産業分野に関する、相当程度の知識または経験を必要とする技能を有する 特定技能2号:特定産業分野に関する、熟練した技能を有する

出典:e-GOV法令検索「出入国管理及び難民認定法」をもとに作成

たとえば、同じ建設分野の配管に関する業務でも、特定技能2号は、ほかの建設技能者を指導したり、工程を管理したりする指導的な経験が求められます。

なお、技能実習2号を良好に修了した外国人は試験なしで特定技能1号に移行できます。

外国人支援の必要性

特定技能1号を受け入れる企業は、外国人に対する支援計画を策定したうえで、計画に基づき適切な支援を行わなければなりません。具体的な支援内容は次のとおりです。

外国人に対する入国前の生活ガイダンスの提供 入国時の空港等への出迎えおよび帰国時の空港などへの見送り 保証人となることその他の外国人の住居の確保に向けた支援の実施 外国人に対する在留中の生活オリエンテーションの実施(預貯金口座の開設および携帯電話の利用に関する契約にかかる支援を含む。) 生活のための日本語習得の支援 外国人からの相談・苦情への対応 外国人が履行しなければならない各種行政手続についての情報提供および支援 外国人と日本人との交流の促進にかかる支援 外国人が、その責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合に、他の日本の公私の機関との特定技能雇用契約に基づいて「特定技能1号」の在留資格に基づく活動を行うことができるようにするための支援 定期的な面談の実施、行政機関への通報

出典:公益財団法人国際人材協力機構「在留資格「特定技能」とは

なお、受け入れ企業でも、過去2年間で外国人従業員が在籍していない場合や、独力での支援が困難な場合は、登録支援機関に支援を委託する義務が生じます。

一方、特定技能2業を受け入れる企業は、支援体制を構築する義務はありません。

家族帯同の可否

特定技能1号は基本的に家族の帯同が認められません。

対して、特定技能2号は、要件を満たせば配偶者や子どもの帯同が認められます。帯同が認められた配偶者が子どもには、在留資格が付与され、日本で生活可能です。

なお、留学生の扶養する家族が非就労系ビザの「家族滞在」で在留していた場合、留学生が特定技能1号の許可を受けても、その家族は引き続き在留できます。

日本語能力

特定技能1号は、生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認されます。特定技能1号に該当する外国人の日本語能力を確認するための日本語試験は次のとおりです。

分野試験名称試験実施機関
全分野共通国際交流基金日本語基礎テスト独立行政法人国際交流基金
日本語能力試験(N4以上)日本国外実施:独立行政法人国際交流基金
介護(追加要件)介護日本語評価試験試験作成は厚生労働省。試験実施および運営などは同省が補助する介護技能評価等実施事業者

出典:出典:公益財団法人国際人材協力機構「在留資格「特定技能」とは

介護を除く15分野については、日本語基礎テストか、日本語能力試験(N4以上)どちらかの合格が必要です。介護については、国際交流基金日本語基礎テストか、日本語能力試験(N4以上)どちらかの合格に加え、介護日本語評価試験の合格が求められます。

一方、特定技能2号は、試験等での確認は不要です。ただし、2023年の対象分野拡大を受けて、日本語能力要件が付与される可能性はゼロではありません。

特定技能1号と特定技能2号の共通点

特定技能1号と特定技能2号には、次の4つの共通点があります。

  • 企業が特定産業分野に該当している
  • 受け入れ分野ごとに従事できる業務が決まっている
  • 企業が受け入れられる人数に上限がない
  • 雇用条件が日本人と同等以上の水準

これらの共通点は、いわば特定技能1号と特定技能2号の外国人を受け入れられる企業の条件ともいえます。ぜひ参考にしてください。

企業が特定産業分野に該当している

特定技能1号と特定技能2号はいずれも所属する企業が特定産業分野に該当しています。

出入国在留管理庁によれば、特定産業分野は、次のように定義されています。

深刻化する人手不足への対応として、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野

出典:出入国在留管理庁「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組

つまり、人手不足の著しい分野が、特定産業分野と定義されているといえます。

受け入れ分野ごとに従事できる業務が決まっている

特定技能1号と特定技能2号は、受け入れ分野ごとに従事できる業務が決まっています。

管轄省庁分野従事する業務
厚労省介護・身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)、訪問系サービス
ビルクリーニング・建築物内部の清掃
経産省工業製品製造業・機械金属加工   ・電気電子機器組立て   ・金属表面処理   ・紙器 ・段ボール箱製造  ・コンクリート製品製造   ・RPF製造   ・陶磁器製品製造   ・印刷・製本   ・紡織製品製造   ・縫製
国交省建設・土木 ・建築 ・ライフライン ・設備
造船・船用工業・造船 ・舶用機械 ・舶用電気電子機器
自動車整備・自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する基礎的な業務
航空・空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等) ・航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)
宿泊・宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供
自動車運送業・トラック運転者 ・タクシー運転者 ・バス運転者
鉄道・軌道整備 ・電気設備整備 ・車両整備 ・車両製造 ・運輸係員(駅係員、車掌、運転士)
農水省農業・耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等) ・畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)
漁業・漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等) ・養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収獲(穫)・ 処理、安全衛生の確保等)
飲食料品・製造業・飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生の確保)
外食業・外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)
林業・林業(育林、素材生産等)
木材産業・製材業、合板製造業等に係る木材の加工等

出典:出入国在留管理庁「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組

雇用形態については、農業と漁業を除いて直接雇用が原則となっています。

企業が受け入れられる人数に上限がない

特定技能では、企業ごとの受け入れ数の上限はありません。ただし、介護と建設については、次のとおり、受け入れ数の上限が決まっています。

介護事業所で受け入れることができる1号特定技能外国人は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること
建設特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数が、特定技能所属機関の常勤の職員(外国人技能実習生、1号特定技能外国人を除く)の総数を超えないこと

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A

受け入れ数の上限が決まっていることから、介護は事業所単位での受け入れ人数枠、建設は受け入れ建設企業単位での受け入れ人数枠をそれぞれ設定する必要があります。

雇用条件が日本人と同等以上の水準

特定技能1号と特定技能2号は、雇用条件が日本人と同等以上の水準となっています。

また、企業と締結する雇用条件には、次のような特徴があります。

給与水準報酬額が日本人と同等以上であること
労働時間通常の労働者と同等の所定労働時間であること
有給休暇外国人が一時帰国を希望する際には必要な有給休暇を取得させること

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A

特定技能1号の取得方法

特定技能1号を取得する方法には、次の2つがあります。

  • 特定技能評価試験に合格する
  • 技能実習から移行する

特定技能1号の取得を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

特定技能評価試験に合格する

特定技能1号の取得希望者は、海外から来日する外国人であれ、日本国内に在留している外国人であれ、国が定める「日本語能力」と「技能」の水準を評価する特定技能試験に合格しなければなりません。

日本国内や各国で実施される特定産業分野ごとの技能試験の特定技能試験については、出入国在留管理庁のウェブページ「試験関係」で実施要領が公開されています。ご確認ください。

また、前述のとおり、日本語能力に関する特定技能試験については、日本国内や各国で実施される日本語基礎テストまたは日本語能力試験を指します。取得希望者は、この日本語基礎テストか、4級以上の日本語能力試験に合格しなければなりません。

技能実習から移行する

技能実習2号を良好に修了した方は、特定技能評価試験が免除されます。

出入国在留管理庁によれば、「技能実習2業を良好に修了している」とは、技能実習を2年10カ月以上修了したうえで、次のいずれかの要件を満たしている状態を指します。

第2号技能実習計画における目標である技能検定3級もしくは、これに相当する技能実習評価試験 (専門級)の実技試験に合格していること ②技能検定3級およびこれに相当する技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格していないものの、特定技能外国人が技能実習を行っていた実習実施者(旧技能実習制度における実習実施機関を含む)が当該外国人の実習中の出勤状況や技能等の修得状況、生活態度等を記載した評価に関する書面により、技能実習2号を良好に修了したと認められること

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領

つまり、技能実習1号を開始してから2年10カ月が経過しており、技能検定3級などの試験に合格すれば、「良好に修了した」と認められます。

特定技能2号の取得要件

特定技能2号を取得するためには、「各分野で定められている条件」を充足したうえで、分野ごとの「特定技能2号評価試験」に合格しなければなりません。

「各分野で定められている条件」は、分野ごとに異なります。たとえば、工業製品製造業では、日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場で3年以上の実務経験があることが必要です。

特定技能2号評価試験の試験情報については、出入国在留管理庁「試験関係」で確認できます。

一部を除いて日本語能力は取得要件に含まれません。ただし、評価試験自体は日本語で実施されるため、ある程度の日本語能力が求められます。

まとめ

特定技能1号・2号は、在留期間や就業できる分野、家族帯同の可否などの面で大きな違いがあります。相対的には、特定技能2号は1号と比べて在留時の条件が良いものの、よりハイレベルな技能や実務経験を求められます。

そのため、特定技能2号への将来的な移行を目指される方は、計画的な準備が必要です。ただ、特定技能2号に求められる専門性の高さから、独力での準備は難しい部分があるため、行政書士をはじめとした在留資格の専門家に相談されることをおすすめします。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
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