就労ビザを持つ外国人が転職時にするべき手続きとは?企業側が行う手続きも解説!

就労ビザを持つ外国人は転職時に所定の届出を地方出入国在留管理局にしなければなりません。
届出以外にも、手続きが必要ですが、必要な手続きは、転職後の職務内容がビザの範囲内か、範囲外かで異なります。また手続きの順序も、転職後の職務内容がビザの範囲内か、範囲外かによって異なるため、適切な手順を事前に確認することが必要です。
そうした事情を踏まえ、本記事では、就労ビザを持つ外国人が転職時にするべき手続きのほかに、就労ビザを持つ外国人が転職した場合に必要な手続きの流れについて解説します。就労ビザを持つ外国人が転職したときに企業側が行う手続きについて解説するため、ぜひ参考にしてください。
就労ビザで働く外国人は転職できる?
結論から申し上げると、就労ビザで働く外国人も在留資格に合致する限り、転職できます。
ただし、転職する外国人は、状況に応じてさまざまな手続きが必要です。適正な手続きが求められるのは外国人だけではありません。外国人を雇用していた企業、外国人を雇用した企業も同様に、手続きを求められます。
なお、身分系ビザで働く外国人は自由に仕事を選べます。
【パターン別】就労ビザを持つ外国人が転職時にするべき手続き
就労ビザを持つ外国人が転職時にするべき手続きは、次のケースにわかれます。
- 職務内容に変更がない場合
- 職務内容がビザの範囲内で変わる場合
- 職務内容が就労ビザの範囲外で変わる場合
ここからは、それぞれのケースについて解説するため、参考にしてください。
職務内容に変更がない場合
転職時に職務内容に変更がない場合は、原則として転職後14日以内に所属(契約)機関に関する届出を出入国在留管理庁長官宛てに提出します。
所属(契約)機関に関する届出は、企業などの契約機関が名称や所在地を変更した場合、消滅した場合、契約機関との契約が終了した場合、新たな契約を締結した場合に提出する届出です。万が一、届出をしなかった場合、20万円以下の罰金に処される可能性があります。
また、届出を怠ると、届出義務をきちんとしなかった事実が在留期間の更新許可や日本での永住許可を申請する際に入管審査でマイナスに評価される可能性があります。十分に注意しましょう。
職務内容がビザの範囲内で変わる場合
プログラマーから広報(いずれも技術・人文知識・国際業務の職種)など、職務内容がビザの範囲内で変わる場合も、原則として転職後14日以内に所属(契約)機関に関する届出を提出します。
その後、在留資格の更新申請をする前段階で、「就労資格証明書」の発行申請をしておくことをおすすめします。
就労資格証明書は、外国人が自らの在留資格で行える収益事業を運営する活動または報酬を受ける活動を証明する文書です。提出は任意ですが、転職者にとって転職先企業での仕事内容が、現在持っている就労ビザに対応していることを証明してくれる有用な文書とされています。
就労資格証明書は、転職先企業での仕事内容と保有ビザとの適合性を証明してくれるだけではありません。転職先企業とその企業での仕事内容を審査したうえで発行されることから、転職直後の在留資格更新申請の審査でプラスに働くでしょう。
職務内容が就労ビザの範囲外で変わる場合
医師(就労ビザ「医療」)から研究所の研究員(就労ビザ「研究」)に転職するケースなど、職務内容が就労ビザの範囲外で変わる場合は、在留資格変更許可申請をしなければなりません。
在留資格変更許可申請は、外国人が、在留目的とする活動を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合に、新しい在留資格に変更するために行う申請です。在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間満了日前までであれば、いつでも行えます。
ただし、変更許可を受ける前に、新しい在留資格に該当する仕事をしてしまうと、資格外活動をしたとみなされ、在留資格を取り消される場合があります。十分に注意しましょう。
なお、職務内容が就労ビザの範囲外で変わる場合も、転職した外国人は所属機関等に関する届出を提出しなければなりません。
就労ビザを持つ外国人が転職した場合に必要な手続きの流れ
ここからは、就労ビザを持つ外国人が転職した場合に必要な手続きの流れについて、「職務内容がビザの範囲内で変わる場合」「職務内容がビザの範囲外で変わる場合」の2パターンに分けて解説します。
職務内容がビザの範囲内で変わる場合
職務内容がビザの範囲内で変わる場合は、次の流れに沿って手続きを進めていきます。
企業と雇用契約書を締結する
まずは、企業と雇用契約書を締結します。
雇用契約書の締結は労働法上の義務ではありませんが、契約条件の齟齬を防ぐために労働条件通知書の受領とあわせて行っておくとよいでしょう。
契約機関等に関する届出をする
雇用契約書を締結して転職先で働き始めた後は転職後14日以内に、最寄りの地方出入国在留管理局で「契約機関等に関する届出」を行います。
届出は許可手続きと違い、行政庁の承認を必要としないため、手続き中に転職先企業で勤務を開始しても問題ありません。
就労資格証明書の発行を申請する
在留資格の更新手続きをスムーズに進めるためには、事前に就労資格証明書の発行を申請するとよいでしょう。
転職時に発行する就労資格証明書の標準処理期間は、1カ月~3カ月となっています。
在留期間更新許可申請を行う
在留期間の有効期限が近づいている場合は、在留期間更新許可申請を行いましょう。
在留期間更新許可申請は在留期間が満了する約3カ月前からすることが可能です。
職務内容がビザの範囲外で変わる場合
職務内容がビザの範囲外で変わる場合は、次の流れに沿って手続きを進めていきます。
在留資格変更許可申請を行う
職務内容がビザの範囲外で変わる場合は、まず在留資格変更許可申請をしなければなりません。前述のとおり、変更許可を受ける前に現在の就労ビザと異なるビザに該当する仕事をすると、在留資格が取り消されかねないためです。
したがって、内定通知を受け取った後は、必要書類をそろえて速やかに在留資格変更許可申請をしましょう。
なお、職務内容がビザの範囲外で変わる場合、就労資格証明書を発行する必要はありません。職務内容が変わることが明白であり、転職先企業での仕事内容と保有ビザとの適合性を証明する必要がないためです。
企業と雇用契約書を締結する
在留資格変更許可申請の手続きを進める過程で、企業と雇用契約書を締結します。
雇用契約書に署名、押印する際には、従事すべき業務の内容が従前の就労ビザから変わっているかを確認しておきましょう。
契約機関等に関する届出をする
在留資格変更許可を受け、転職先で働き始めた後は転職後14日以内に、最寄りの地方出入国在留管理局で「契約機関等に関する届出」を行います。
就労ビザを持つ外国人が転職したときに企業側が行う手続き
ここからは、就労ビザを持つ外国人が転職したときに企業側が行う手続きについて解説します。
就労ビザを持つ外国人を雇用していた企業が行う手続き
就労ビザを持つ外国人を雇用していた企業は外国人の受け入れを終了(解雇・退職等)後、14日以内に最寄りの地方出入国在留管理局で、「中長期在留者の受入れに関する届出」をする必要があります。
なお、同届出を行わなかったとしても、元受け入れ企業は刑罰を科せられることはありません。しかし、届出をしないと、雇っていた外国人が在留期間の更新申請をした際、入管審査で不利に働く可能性があります。そのようなリスクを踏まえ、元受け入れ企業は、同届出を届出期間内にしてあげましょう。
就労ビザを持つ外国人を雇用した企業が行う手続き
就労ビザを持つ外国人を雇用した企業は、まず外国人本人に労働条件を書面で明示したうえで、雇用締結書を締結しなければなりません。雇用契約書は、在留資格の更新許可や変更許可をする際に提出が求められる場合があるためです。
こうした事情を踏まえ、外国人を新たに雇用した企業は、外国人が十分に理解できる言語をベースにした雇用契約書を作成してあげましょう。
また、就労ビザを持つ外国人を新たに雇用した企業は、管轄のハローワークに「外国人雇用状況の届出」をしなければなりません。この届出を怠ったり、虚偽の内容で届け出たりした場合は、30万円以下の罰金を科される可能性があります。
まとめ
就労ビザを持つ外国人が転職したときは、さまざまな手続きを済ませる必要があります。手続きを適正に進めなければ、罰金を受けるだけでなく、在留資格の更新申請や変更申請をするときに不利に働く可能性があります。十分にご注意ください。
とはいえ、転職に伴う手続きは、想像以上に煩雑です。したがって、就労ビザの在留者で、将来的に転職を検討されている方は、スムーズな転職を実現できるよう、行政書士をはじめとした在留資格の専門家に協力を仰ぐとよいでしょう。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/permanent/
広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/naturalization/
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Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
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専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応
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