アメリカ人との結婚と配偶者ビザ取得手続きの全体ガイド

アメリカ人と結婚するには、どのような手続きが必要なのでしょうか。近年、国際結婚は珍しいものではなく、アメリカ人と日本人のカップルも多く誕生しています。特に日本人女性とアメリカ人男性の組み合わせは国際結婚の中でも多い傾向があります。しかし、異なる国の制度をまたぐ結婚手続きは複雑で戸惑う方も少なくありません。

本記事では、日本人とアメリカ人が結婚する際の基本的な流れと必要書類、さらに結婚後に必要となる配偶者ビザ取得方法について解説します。日本とアメリカでは婚姻制度に違いがあり、手続きの順序によっても流れが異なります。例えば、先に日本で婚姻届を提出する方法と、先にアメリカで結婚手続きを行う方法では必要書類や手順が変わります。また、結婚が正式に成立した後、アメリカ人配偶者が日本で生活するためには「日本人の配偶者等」(いわゆる配偶者ビザ)の取得が必要です。国際結婚は初めての方にとって煩雑に感じられるかもしれませんが、本記事を読めば全体像を把握できるでしょう。

専門的なポイントも押さえつつ、初心者にもわかりやすく説明していきます。まずは日本とアメリカの婚姻制度の違いを確認し、その後に「日本先行」「アメリカ先行」それぞれの手続き、最後に配偶者ビザ申請のポイントを見ていきましょう。

日本とアメリカの結婚制度の違い

日本人とアメリカ人の間では交流が非常に活発であり、その中から多くの国際結婚が生まれています。たとえば、新型コロナウイルスの感染拡大前には、年間およそ380万人の日本人がアメリカを訪れ、2019年には約172万人のアメリカ人が日本を訪問するなど、双方の往来は盛んです。

アメリカでは、50の州それぞれが独自の結婚に関する法律を持っており、結婚可能年齢は多くの州で18歳と定められています。ただし、例外としてミシシッピ州とネブラスカ州では17歳から結婚が認められています。一方、日本でも2022年4月から、結婚可能年齢が男女ともに18歳に統一されたため、この点においては日米で大きな差はありません。

また、アメリカの多くの州では、法律上の結婚成立には挙式が必要とされています。これは教会での宗教的な式や、裁判官の前での結婚宣誓などが該当します。これに対し、日本では役所に婚姻届を提出すれば法的に婚姻が成立し、挙式の有無は結婚の成立に影響しません。

さらに、離婚後の再婚に関する規定にも違いがあります。日本では、女性に限って離婚成立から100日間の再婚禁止期間が設けられており、前婚との子の父親を明確にするための制度です。一方、アメリカ各州にはこのような再婚制限はなく、離婚後すぐに再婚することも可能です。

加えて、婚姻の形態に関する法的扱いにも違いがあります。アメリカでは、2015年に連邦最高裁が同性婚を合法とする判決を下し、すべての州で同性婚が認められるようになりました。しかし、日本では現時点で同性婚は法的に認められておらず、婚姻としての効力は生じません。

日本で先に婚姻手続きをする場合(日本先行方式)

日本で先に結婚手続きを進める「日本先行方式」では、婚姻届を提出する前に、アメリカ人配偶者について在日米国大使館で「婚姻要件具備証明書(いわゆる独身証明書)」を取得する必要があります。これは、日本の役所が日本人の独身であることを戸籍から確認できるのに対し、外国人についてはそのような確認手段を持っていないため、第三国であるアメリカ側から正式な証明書を取得して提出する必要があるためです。

婚姻要件具備証明書は、在日米国大使館または総領事館で発行されます。取得にあたっては、まず事前にオンラインで予約を行い、アメリカ人配偶者本人が当日パスポートを持参して出向く必要があります。手続きの際には約50ドルの手数料がかかりますが、通常はその日のうちに証明書が発行されるため、比較的スムーズに進められる点が特徴です。

発行された婚姻要件具備証明書は英語表記のため、日本の役所に提出する際には、必ず日本語に翻訳した「和訳文」が必要となります。和訳文には翻訳者の署名が求められますので、翻訳家や専門の行政書士等に依頼するのが確実です。署名済みの和訳文とともに証明書の原本を添付し、婚姻届提出の際に一緒に提出します。

婚姻届の提出は、日本人とアメリカ人が揃って、日本の市区町村の役所または役場に出向いて行います。提出時には以下の書類が必要です。

まず、日本人側は戸籍謄本(本籍地以外の市区町村に届け出る場合)、顔写真付きの身分証明書(運転免許証、パスポートなど)、および印鑑を用意します。一方、アメリカ人側は有効なパスポートを提示します。そして、前述の婚姻要件具備証明書(原本)とその日本語訳文を添付することが求められます。

これらの書類が受理されると、日本国内での結婚は法的に成立します。日本では、結婚に挙式や特別な式典は必要なく、婚姻届が正式に受理されることで、法的な夫婦として認められます。手続き完了後しばらくすると、日本人配偶者の戸籍に「婚姻」の事実が記載されることになります。

注意点として、アメリカ本国への報告的な婚姻届は原則として不要です。また、在日米国大使館や領事館では、婚姻証明書のような書類を発行していません。したがって、結婚の証明としては、日本の役所で発行される「婚姻届受理証明書」が最も正式な証明書として機能します。アメリカ側の行政手続き等で婚姻の証明を求められた場合には、この日本の証明書を提出することになります。

アメリカで先に婚姻手続きをする場合(アメリカ先行方式)

アメリカ先行方式で結婚手続きを行う場合、多くの州では結婚の法的成立に「挙式」が必要とされています。つまり、単に書類を提出するだけでは婚姻とは認められず、法律上の夫婦となるには、教会などでの式や公的な司式者の立ち会いによる宣誓が求められます。挙式を行うには事前にマリッジ・ライセンス(結婚許可証)を取得しておく必要があり、これがないと挙式ができないという州もあります。したがって、アメリカでの婚姻を考える場合は、このマリッジ・ライセンスの取得が第一のステップとなります。

マリッジ・ライセンスを取得する際には、いくつかの必要書類を揃えて現地の役所(カウンティ・クラークオフィスなど)に出向く必要があります。まず、アメリカ人配偶者については「出生証明書」が求められます。一方、日本人配偶者側は、日本の法務局で発行された「婚姻要件具備証明書」が必要となります。この証明書は日本語で作成されるため、英文への翻訳と、翻訳者の署名が付された訳文を添付することが必須です。さらに、日本人配偶者の「戸籍謄本」も提出が求められます。戸籍謄本には、すでに婚姻事項が記載されていなければなりません。この戸籍謄本についても、英訳文を添えて提出します。

必要書類を提出してマリッジ・ライセンスを取得したら、次は結婚式を挙げるステップに進みます。挙式は、教会の牧師や神父、または裁判官や公証人など、その州で法的に結婚を執行できる権限を持つ「司式者」の前で行われます。挙式の場で新郎新婦が結婚の誓いを交わすと、司式者がマリッジ・ライセンスに署名を行います。この署名済みのマリッジ・ライセンスを所定の役所に提出することで、初めてアメリカでの婚姻が正式に成立する仕組みです。なお、結婚式を挙げるだけでは婚姻は成立せず、あくまで役所への提出によって効力が発生します。

結婚が成立した後は、現地役所にて「婚姻証明書(Marriage Certificate)」を発行してもらいます。これはアメリカ国内で法的に婚姻を証明する重要な書類であり、以降のビザ申請や国際的な手続きに必要不可欠です。そして、アメリカでの結婚手続きが完了したら、在米の日本大使館または総領事館に「報告的届出」を行うことが求められます。これは、日本国内法上でも婚姻を認めてもらうための重要な手続きです。

報告的届出の際には、いくつかの書類を準備する必要があります。まず、日本人配偶者が用意するものは、①戸籍謄本2通、②Marriage Certificate(婚姻証明書)2通、③その和訳文2通です。この和訳文には翻訳者の署名が必要となるため、正確に翻訳された文書を用意しましょう。また、アメリカ人配偶者側も、④パスポートまたは出生証明書、⑤その和訳文2通(同様に翻訳者署名付き)を提出します。書類の不備や不正確な翻訳があると、受理されないこともあるため、注意が必要です。

これらの書類を提出し、在外公館での報告的届出が完了すれば、日本の戸籍にも婚姻事項が正式に記載されます。これによって、アメリカと日本の両国において、法的に正式な夫婦として認められることとなり、国際結婚としてのステータスが確立されます。こうした一連の手続きを適切に行うことで、後の配偶者ビザ申請や日本での生活にスムーズに進むことが可能になります。

結婚後の配偶者ビザ取得方法と審査ポイント

アメリカ人配偶者が日本に長期的に滞在し、日本で生活をともにするためには、「日本人の配偶者等」という在留資格、いわゆる配偶者ビザを取得する必要があります。単に結婚したという事実だけでは、このビザが自動的に付与されることはありません。結婚後、別途出入国在留管理庁(入管)に対して適切な申請を行い、審査を経る必要があるという点を理解しておきましょう。配偶者ビザの取得は、法律婚後の“次のステップ”とも言えます。

配偶者ビザを申請するには、多数の書類を整える必要があります。代表的な書類としてまず挙げられるのは、「在留資格認定証明書交付申請書」または「在留資格変更許可申請書」といった所定の申請書類一式です。加えて、証明写真(縦4cm×横3cm)、日本人配偶者の戸籍謄本(婚姻事項が記載されていること)、婚姻証明書(日本で結婚した場合は婚姻届受理証明書、アメリカで結婚した場合は現地発行の結婚証明書およびその日本語訳)なども必要です。

また、経済的な安定性を示す書類も重視されます。具体的には、日本人配偶者の課税証明書や納税証明書(直近1年分)、預貯金通帳の写しなどが求められます。これらは生活を共にしていくための“経済的基盤”があるかを判断するための資料です。さらに、「身元保証書」(日本人配偶者が保証人として署名)も必要になります。

書類の中でも特に重要なのが、二人の関係が真実であることを示す証拠資料です。これには、結婚式や家族との集合写真、旅行の記録、SNSのやり取り、メールの履歴などが該当します。日付や文脈から「交際の実態」が読み取れるものがあると、信頼性が高まります。これらは単なる添付資料ではなく、「この結婚が本物である」ということを裏付ける決定的な証拠にもなり得ます。

入管は、主に以下の3つのポイントをもとに配偶者ビザの可否を判断します。
1つ目は、「真実の婚姻関係であるか」。これは交際の経緯や期間、同居状況、言語のやり取りなどを通して、いわゆる“偽装結婚”でないことが重視されます。
2つ目は、「安定した生活基盤があるか」。日本人配偶者に安定した収入や資産があり、将来にわたって生活を維持できる見込みがあるかを審査されます。
そして3つ目は、「在留履歴に問題がないか」。過去に不法滞在、オーバーステイ、退去強制などの事実がある場合は、審査のハードルが一気に上がります。

さらに注意すべきは、不許可になりやすい典型的な事例の存在です。例えば以下のようなケースは、特に入管から厳しくチェックされる傾向があります。

  • 夫婦間の年齢差が極端に大きい場合(20歳以上など)
  • 結婚紹介所やオンラインマッチングなど、出会い方にやや形式的な印象がある場合
  • 日本人配偶者の収入が著しく少ない、または無収入の状態が続いている場合
  • 日本人・アメリカ人のいずれかが、過去に外国人と離婚歴がある場合(特に複数回)
  • 出会いの場が**水商売(ナイトクラブやバー)**などである場合

これらのケースに該当する場合、入管から**「偽装結婚の可能性」を疑われる可能性が高くなります。ただし、不許可になりやすいからといって、必ず却下されるわけではありません。重要なのは、「なぜそのような条件になったのか」「それでもなぜ本物の愛情があるといえるのか」をきちんと説明し、それを裏付ける客観的な資料を提出する**ことです。

たとえば、年齢差が大きい場合には、交際開始から現在に至るまでの写真やメールを時系列で整理し、「自然な交際の過程があったこと」を示すと有効です。また、出会いの場が水商売であったとしても、その後真剣な交際に発展したことを証明するために、双方の家族との交流記録などを添付することも有効とされています。

以上のように、配偶者ビザの審査は一律ではなく、「どれだけ丁寧に背景を説明し、信頼性の高い証拠を提出できるか」にかかっています。リスクのあるケースでは、専門家(行政書士など)に早めに相談することで、事前に対策を講じることができ、不許可のリスクを大きく軽減することが可能になります。

まとめ:国際結婚・ビザ申請は専門家に相談を

国際結婚においては、手続きの流れや必要書類を正確に把握することが重要です。
特に日本人とアメリカ人が結婚する場合、**「日本先行方式」「アメリカ先行方式」**の2つのルートが存在し、それぞれで手続きの順序や求められる書類が大きく異なります。どちらの方式で結婚するかによって、必要な準備や提出先も変わってくるため、事前に両方式を比較し、自身の状況に適したルートを選ぶことが大切です。

また、結婚手続きが完了したからといって、すぐに一緒に日本で暮らせるわけではありません。結婚後には「日本人の配偶者等」ビザ(配偶者ビザ)を取得するための在留資格申請という、もう一つの重要なステップが待っています。この在留資格の取得には、婚姻とは異なる観点での審査が行われ、真実の結婚関係であること、経済的な安定性、在留履歴の健全性などが問われます。そのため、婚姻手続きとビザ申請を別々のものとして捉え、どちらも慎重に準備を進める必要があるのです。

しかし、初めての国際結婚手続きや配偶者ビザ申請は、法制度の違いや複雑な書類の多さに戸惑う方も少なくありません。「自分たちのケースはどちらの方式が適しているのか」「この書類で本当に大丈夫なのか」といった不安を感じるのは当然です。

そうしたときには、国際業務に精通した専門家に相談することを強くおすすめします。
私たち Eight Links行政書士事務所 では、国際結婚に関する婚姻届の提出サポートから、配偶者ビザの申請までを一貫して支援しています。これまで多くのアメリカ人との結婚手続きやビザ申請をサポートしてきた実績があり、それぞれのご夫婦の事情に応じた的確なアドバイスと、申請書類の丁寧な作成代行を行っています。

「言葉の壁がある」「入管で不利にならないように準備したい」「少しでも早くビザを取得したい」といったお悩みがある方も、どうぞ安心してご相談ください。複雑で手間のかかる手続きこそ、経験豊富なプロに任せることで、不安なく確実に進めることができます。

まずはお気軽に、Eight Links行政書士事務所へお問い合わせください。
あなたの国際結婚と新しい生活の第一歩を、私たちが全力でサポートいたします。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
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