日本人の配偶者ビザを取得するための条件とは?取得までの流れも解説!

外国人配偶者が日本人の配偶者ビザを取得するためには、収入要件や婚姻の信憑性など、さまざまな要件をクリアしなければなりません。

しかし、初めて日本人の配偶者ビザの取得を検討している外国人配偶者のなかには、ビザ取得に必要な要件について知らない方も少なくありません。

そこで、本記事では、日本人の配偶者ビザを取得するための4つの条件について解説します。日本人の配偶者ビザを取得するメリット・デメリットや日本人の配偶者ビザを取得するまでの流れについても解説するため、ぜひ参考にしてください。

日本人の配偶者ビザとは?

日本人の配偶者ビザは、日本人と結婚した外国人配偶者に付与されるビザです。正式名称を「日本人の配偶者等」と言います。

配偶者ビザを取得できるのは、日本人と結婚した外国人配偶者だけではありません。要件を満たせば、特別養子または日本人の子として出生した方にも、付与されます。

日本人の配偶者ビザの在留期間は短い順に6カ月、1年、3年、5年です。しかし、初回申請で3年や5年の在留期間が付与されるのは珍しく、大半が1年ビザとなっています。

日本人の配偶者ビザの対象者

日本人の配偶者ビザの該当例については、次のとおりです。

  • 日本人男性と結婚した外国人妻、日本人女性と結婚した外国人夫
  • 日本人を親に持つ実子
  • 日本人の特別養子縁組にされた子ども

ほかの在留資格との違い

配偶者ビザは、日本で働くことを目的とした就労ビザや、就労ビザで働く外国人と一緒に暮らすための家族滞在ビザと就労面で大きく異なります。

配偶者ビザ、就労ビザ、家族滞在ビザの違いを表にまとめると、次のとおりです。


配偶者ビザ就労ビザ家族滞在ビザ
就労の義務義務なし義務あり義務なし
就労時間制限なし週40時間まで週28時間まで

表を見ると、配偶者ビザは就労面で自由度が圧倒的に高いことがわかります。それだけ、日本人と結婚した外国人に与えられるインセンティブが大きいといえるでしょう。

日本人の配偶者ビザを取得するメリット・デメリット

日本人の配偶者ビザを取得するための条件を説明する前に、日本人の配偶者ビザを取得するメリット・デメリットについて解説します。

日本人の配偶者ビザを取得するメリット

配偶者ビザには、就労制限がありません。そのため、配偶者ビザを持つ外国人配偶者は、日本人国籍者と同じように、職種や雇用形態、就労時間を決められるほか、会社を経営することも可能です。

また、配偶者ビザには活動制限がありません。そのため、配偶者ビザを持つ外国人配偶者は、大学や専門学校に自由に通えます。

配偶者ビザのメリットは、これだけではありません。配偶者ビザは永住ビザの取得要件が緩和され、実態のある結婚生活が3年以上あり、引き続き1年以上日本に滞在していれば永住ビザを申請できます。

日本人の配偶者ビザを取得するデメリット

配偶者はメリットだけではありません。日本人配偶者と離婚や死別をすると、在留資格の該当性が失われてしまいます。

離婚や死別に至った場合、外国人配偶者は出国準備を経て母国へ帰国するか、ほかの在留資格・ビザへ変更しなければなりません。日本に引き続き在留する場合は、定住ビザをはじめとした在留資格への変更を検討しますが、確実に申請許可を得られる保証がない点に注意が必要です。

日本人の配偶者ビザを取得するための4つの条件

日本人の配偶者ビザを取得するための条件には、次の4つがあります。

  • 安定した経済的基盤がある
  • 実態を伴う結婚である
  • 法律上の結婚をしている
  • 過去の在留状況が良好である

これらの条件をクリアすると、配偶者ビザを取得できる可能性がグッと高くなります。ぜひ参考にしてください。

安定した経済的基盤があること

配偶者ビザを取得するためには、安定した経済的基盤があることを立証しなければなりません。世帯収入が少なく、経済的基盤が不安定であれば、生活保護受給によって市区町村の財政負担が増えるおそれがあるためです。

いわゆる収入要件では、日本人配偶者の収入を合わせた世帯全体の収入や親族による援助の有無、持ち家の有無、就職先の見通しなどが審査されます。審査項目で特に重要視されるのが、世帯全体の収入です。

直近1年分の住民税の課税証明書で審査される世帯収入の目安は明確に決まっているわけではありませんが、年間ベースで約300万円がボーダーだとされています。ただし、持ち家があったり、不動産収入があったりする場合は、300万円を下回っても、配偶者ビザを取得できる可能性があります。

実態を伴う結婚であること

配偶者ビザを取得するためには、婚姻関係に実態が伴っていなければなりません。実態が伴っていない結婚は、不正なビザ取得を目的とした偽装結婚である可能性が高いためです。

婚姻関係に実態が伴っておらず、偽装結婚を疑われやすいのは、次のような場合です。

  • 交際期間が1年未満など極端に短い
  • 年齢差が15歳以上ある
  • 離婚歴が多い
  • マッチングアプリや結婚紹介所を通じて知り合った
  • 夫婦で意思疎通が困難な場合
  • 夫婦で一緒に写った写真がほとんどない

これらのケースに該当する場合は、外国側の婚姻証明書といった公的書類だけでなく、LINEやメールなどでの交流記録やビデオ通話のスナップ写真などをできる限り多く集めて提出する必要があります。また質問書とは別に、出会った経緯を詳細に記述した理由書を提出すると良いでしょう。

法律上の結婚をしていること

配偶者ビザを取得するためには、日本と外国人配偶者の本国の両国で法律上の婚姻手続きが完了していなければなりません。

婚姻とは、男女の婚姻意思が合致して夫婦となる身分行為です。そのため、申請者が婚約者である場合や同性婚である場合は、配偶者ビザを取得できません。法的に入籍をしない事実婚も、法律上の婚姻とみなされないため、注意が必要です。

法律上の婚姻手続きは、日本側で先に済ませるケースと、外国側で済ませるケースがあります。ただし、アメリカやイギリス、カナダなどの国は、日本で婚姻が成立していれば自動的に相手国でも婚姻の効力が発生するため、外国側での婚姻手続きは不要です。

過去の在留状況が良好であること

配偶者ビザを取得するためには、過去の在留状況が良好でなければなりません。

そのため、過去に犯罪歴や不法残留(オーバーステイ)、資格外活動違反(週28時間を超えたアルバイトなど)などがある場合は過去の在留状況が不良と判断されるため、注意が必要です。これらの経歴がある場合は、ありのままに申告したうえで、現在の改善状況を誠実に説明しましょう。

日本人の配偶者ビザを取得するまでの流れ

ここからは、日本人の配偶者ビザを取得するまでの流れについて、配偶者が日本にいる場合と配偶者が海外にいる場合に分けて解説します。

配偶者が日本にいる場合

外国人配偶者が日本にいる場合、外国人配偶者法人が最寄りの地方出入国在留管理局(入管)に出向き、在留資格変更許可申請を行います。

在留資格変更許可申請は、何らかの在留資格で在留している外国人が、在留目的とする活動を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合に、新しい在留資格に変更するために行う申請です。

問題がなければ、申請から1〜2カ月で申請許可の通知があります。許可通知を受けた場合は、申請先の入管に出向き、在留カードの交付を受けます。

配偶者が海外にいる場合

外国人配偶者が海外にいる場合、日本にいる日本人配偶者が最寄りの入管へ在留資格認定証明書交付申請を行います。

在留資格認定証明書交付申請は、日本に入国する外国人が、日本で行おうとする活動内容がいずれかの在留資格の上陸条件に適合することを証明するために、入国前にあらかじめ行う申請です。

同申請の審査を通過すると、申請から1〜2カ月で在留資格認定証明書が交付されます。同証明書が交付された後は、日本人配偶者が海外にいる外国人配偶者に証明書を送ります。

証明書を受け取った外国人配偶者は、在外日本公館でビザの発給を受けます。ビザの発給を受けた後、発給の翌日から3カ月以内に日本に入国し、日本人配偶者の住所地役場で住民登録をしなければなりません。

日本人の配偶者ビザでよくある質問(FAQ)

最後に日本人の配偶者ビザでよくある質問とその回答について解説します。

Q.短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更できるでしょうか?

外国人配偶者が短期滞在ビザ(観光ビザ)で滞在している場合、日本に滞在したまま直接配偶者ビザに変更することは原則認められません。

ただし、在留中に在留資格認定証明書が交付された場合や子どもが妊娠し、日本での出産が必要な場合など、やむを得ない事情がある場合は、例外的に短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更可能です。

Q.夫婦が二人とも海外在住の場合は、収入要件をどう証明すれば良いでしょうか?

夫婦が二人とも海外在住の場合は、預貯金通帳のコピーや、日本における就職先の内定通知書などを提出することで、収入要件をクリアしていることを立証する必要があります。

逆に預貯金をはじめとする金融資産が十分になく、日本での就業先が確定していない場合は、生活の基盤が不安定だとして、申請不許可を受けるリスクが高くなるでしょう。

Q.求職中でも配偶者ビザを取れる可能性はありますか?

求職中でも配偶者ビザを取得できる可能性があります。配偶者ビザの取得要件である収入要件は、外国人配偶者本人の収入だけでなく、日本人側の親族の収入でも満たせるためです。

日本人側の親族の収入によって収入要件を満たすためには、親族の収入状況がわかる所得証明書や、生活援助を約束する旨を記載した書面を提出する必要があります。

Q.提出書類のうち、「SNS記録」はどのような書類を提出すれば良いでしょうか?

SNS記録は、LINEやメッセンジャー、メールなど、オンラインメッセージによるやり取りを、A4用紙に数枚から十数枚プリントアウトすることで、提出します。

提出資料として有効なものは、オンラインメッセージのやり取りをプリントアウトした書面だけではありません。ビデオ通話中にお互いの顔が写った画面のスクリーンショットも、提出資料として有効です。

SNS記録がなければ、手書きの手紙や通話明細のコピーなどを提出すると良いでしょう。

まとめ

外国人配偶者が日本人の配偶者ビザを取得するためには、安定した経済的基盤や実態を伴う婚姻など、さまざまな条件をクリアしなければなりません。これらの条件を事前に確認したうえで、必要な立証書類を提出することで、配偶者ビザを取得できます。

しかし、配偶者ビザの審査は近年、不正なビザ取得を目的とした偽装結婚の増加を踏まえ、厳しくなっています。そのため、配偶者ビザ申請に不安を抱えている外国人配偶者は、行政書士をはじめとした在留資格の専門家に相談すると良いでしょう。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
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