配偶者ビザ申請の難易度は高い?難易度を下げるためのポイントも解説!

配偶者ビザを取得する難易度は一定の審査基準を満たせば、そこまで高いわけではありません。

しかし、入管審査では、結婚の信憑性と日本での生計維持能力が厳しく審査され、これらの基準を満たせない場合は、審査の難易度が跳ね上がります。つまり、配偶者ビザを取得する難易度は一律ではなく、申請者の状況によって大きく異なるといえるでしょう。

こうした実情を踏まえ、本記事では、配偶者ビザ申請の難易度が高くなる要因について解説します。配偶者ビザ申請の難易度を下げるためのポイントについて解説するため、ぜひ参考にしてください。

配偶者ビザ申請の難易度は高い?

配偶者ビザ申請の難易度はそこまで高くありません。公式データはないものの、配偶者ビザの許可率は90%前後と言われているためです。

しかし、許可率はあくまでも統計的な傾向に過ぎません。実務的には、申請内容や提出書類の正確さ、婚姻の実態、申請者の生活状況、ビザを取得する理由の正当性などに大きく左右されます。

つまり、配偶者ビザ申請の難易度は申請内容によって高くなったり、低くなったりするのです。たとえば、収入要件や婚姻の信憑性など、基本的な要件を満たしていない場合、配偶者ビザ申請が許可されるのは難しいといえるでしょう。

配偶者ビザ申請の基本的な流れ

外国人配偶者が海外に居住している場合は、最寄りの地方出入国在留管理局(入管)に在留資格認定証明書交付申請をする必要があります。

在留資格認定証明書交付申請は、日本に入国しようとする外国人が、日本で行おうとする活動内容がいずれかの在留資格に該当するものであるなどの上陸条件に適合していることを証明するために、入国前にあらかじめ行う申請手続きです。

申請の流れは次のとおりです。

日本人配偶者が最寄りの入管で申請する
入管で審査を受ける
入管から在留資格認定交付書を受け取る
外国人配偶者に在留資格認定交付書を送付する
外国人配偶者は在外日本大使館で配偶者ビザの交付を受ける 交
付の翌日から3カ月以内に日本に来日する

1年ビザが大半である理由

初めて配偶者ビザを取得する場合、1年ビザが大半だとされています。

1年ビザが多い理由は、申請許可を受けてもなお、申請者の婚姻の信憑性や結婚生活の安定性が不透明であるためです。こうした実情を踏まえ、入管は1年ビザを発行した後、申請者の生活状況を確認し、問題がなければ更新許可申請で3年ビザや5年ビザといった長期のビザを発行する形式を取っています。

ただし、まれに初回申請から3年の配偶者ビザを取得するケースがあります。具体的には、結婚生活の継続期間が長かったり、安定した収入・生活基盤があったりする場合に初回申請で3年ビザを取得可能です。

配偶者ビザ申請の難易度が高くなる要因

配偶者ビザ申請の難易度が高くなる要因には、次の4つがあります。

  • 申請書類に不備がある場合
  • 日本での生計維持能力が認められない場合
  • 結婚の信憑性に疑問符が付く場合
  • 過去に法令違反を犯している場合

逆にいえば、これらの要因がなければ配偶者ビザ申請の難易度は低くなります。ぜひ参考にしてください。

申請書類に不備がある場合

申請書類に不備がある場合は、配偶者ビザ申請の難易度が高くなります。書類に不備があると、審査がスムーズに進まないうえに、審査官が申請要件を満たしていないと判断しやすくなるためです。

このような事態を招かないためにも、必要な書類を正確に把握したうえで、添付漏れや記載内容に誤りがないかを確認することが大切です。特に、記入欄への記載漏れや誤字脱字は、審査官に大きな不信感を与えかねないため、提出前に書類を何度も見直しましょう。

日本での生計維持能力が認められない場合

日本での生計維持能力が認められない場合は、配偶者ビザの難易度が高くなります。生計維持能力に乏しいと、審査官に「申請者は生活保護制度をはじめとした公的扶助制度に依存する可能性があるのではないか」と疑問を持たれる可能性があるためです。

生計維持能力を立証するためには、収入証明書や給与明細、内定通知書などをもとに年収ベースで約240万円の収入があることを示すことが大切です。

ただし、収入要件には絶対的な所得基準がありません。収入要件は、日本人配偶者の所得や世帯全体の貯蓄額や扶養家族の有無、居住地域の生活水準をもとに判断されます。そのため、必要に応じて日本人配偶者の所得証明書や残高証明書を提出すると良いでしょう。

結婚の信憑性に疑問符が付く場合

結婚の信憑性に疑問符が付く場合は、配偶者ビザ申請の難易度が高くなります。結婚の信憑性に疑義があると、審査官は偽装結婚の可能性が高いとみなし、申請を不許可にする判断を下してしまうためです。

結婚の信憑性を高めるためには、共同生活をしていることがわかる書類や日常の写真などを添付することが大切です。これらの情報を正確に提供することで、配偶者ビザの取得率が高くなるでしょう。

しかし、極端に交際期間が短い場合や離婚歴が多い場合、日本人配偶者との年齢差が大きい場合は、結婚の信憑性に疑問を持たれやすいため注意が必要です。これらのケースに当てはまる場合は、審査官の疑念を払拭するため、婚姻関係を深さを証明できる書類を提出しなければなりません。

具体的には、交際期間中の写真や連絡を取り合っていることがわかる通信履歴、共同名義の口座などを提出するとよいでしょう。

過去に法令違反を犯していた場合

不法滞在や犯罪など、過去に法令違反を犯している場合は、配偶者ビザ申請の難易度が高くなります。法令違反歴があると、申請者の信頼性が低下し、審査に悪影響が及ぶためです。

もし法令違反歴がある場合は、任意で理由書を用意し、意識を改善して現在は適法に在留していることを説明することが大切です。誠実に過去の法令違反歴や現在の行動改善状況を説明すれば、法令違反歴が審査でマイナスに働かない可能性があります。

配偶者ビザ申請の難易度を下げるためのポイント

配偶者ビザ申請の難易度を下げるためのポイントには、次の7つがあります。

  • 提出書類の不備をなくす
  • 法律上の結婚手続きを確実に完了させる
  • 結婚生活の実態を示すための証拠を用意する
  • 夫婦それぞれが安定した職に就く
  • 交際期間が一定期間ある状態で申請する
  • 税金や年金、保険料などをしっかり納付する
  • 在留中に問題を起こさない

これらのポイントを押さえることで、配偶者ビザ申請の難易度が下がり、申請が通りやすくなります。ぜひ参考にしてください。

提出書類の不備をなくす

配偶者ビザ申請の難易度を下げるためには、提出書類の不備や記載ミスをなくすことが大切です。

提出書類の不備や記載ミスをなくすためには、チェックリストを作成しましょう。作成したチェックリストを活用することで、特に提出書類の添付漏れは確実になくせます。

とはいえ、配偶者ビザ申請は一定の専門性が求められるため、申請自体を行政書士に委任するのも一つの選択肢です。配偶者ビザ申請を委任すれば、行政書士は確実に提出書類を集めてくれるでしょう。

法律上の結婚手続きを確実に完了させる

配偶者ビザを取得するためには、法律上の結婚手続きを確実に完了させることが必要条件です。

日本では、法律上の結婚手続きは、婚姻届を届出人の本籍地または所在地の市区町村役場に提出することで、完了します。婚姻届を提出していない場合は、早急に市区町村役場の窓口で婚姻届を提出しましょう。

必要な手続きは、日本の役所への婚姻届の提出だけではありません。申請者の外国人配偶者は、母国の機関から発行された結婚証明書を用意する必要があります。

母国での結婚証明書の発行には、別途、婚姻申告が必要です。忘れずに手続きを済ませてください。

結婚生活の実態を示すための証拠を用意する

配偶者ビザ申請の難易度を下げるためには、結婚生活の実態を示すための証拠を用意しましょう。

具体的な証拠には、具体的に共同名義の銀行口座の明細書や、共同生活の実態が明らかな賃貸借契約書、2人のスナップ写真などが挙げられます。日本と海外の遠距離恋愛だった場合は、日常的なコミュニケーションを証明するため、LINEなどのコミュニケーションツールのスクリーンショットも用意すると良いでしょう。

夫婦それぞれが安定した職に就く

配偶者ビザ取得の難易度を下げるためには、夫婦それぞれが安定した職に就くことが大切です。安定した職に就いていれば、収入要件を満たしていると判断されやすいためです。

ここでいう安定した職とは、正規雇用のことです。日本の正規雇用労働者は解雇されにくいため、収入が安定しており、経済的に自立しているとみなされやすいでしょう。

ただし、安定した職とは、必ずしも正規雇用に限りません。たとえば、雇用形態にかかわらず、医師や薬剤師、看護師といった医療職は安定した職業とみなされやすいとされます。

そのため、就労しやすい国家資格職を持っている場合はそれを申請時にアピールすれば、ビザ取得の難易度が下がりやすいでしょう。

交際期間が一定期間ある状態で申請する

配偶者ビザを取得するためには、交際期間が一定期間があることが大切です。交際期間が一定期間あれば、申請者と日本人配偶者との婚姻関係に真実性があるとみなされやすくなるでしょう。

逆に交際期間が短いと、信頼性が低くなり、入管審査で不利に働きやすくなります。

こうした事情を踏まえ、配偶者ビザ申請の難易度を下げるためには、できるだけ長い交際期間を経て申請することが推奨されます。具体的には、少なくとも1年以上の交際を経てから申請することで、婚姻関係の真実性を証明しやすくなるでしょう。

税金をしっかり納付する

配偶者ビザの難易度を下げるためには、税金をしっかり納付しましょう。税金支払いが適切に行われていることは、申請者の経済的安定性を示す証拠になるためです。

配偶者ビザの申請では、住民税だけが審査対象となっています。ただし、住民税以外の税金についても、未納で裁判を起こされていたり、催告があったりする場合は、審査の対象になる場合があるため、注意が必要です。

在留中に問題を起こさない

配偶者ビザを確実に取得するためには、在留中に問題を起こさないことが大切です。

特に、軽犯罪や法令違反といった法的なトラブルは、ビザ申請に大きな悪影響を及ぼしかねません。たとえば、不起訴であっても、軽犯罪での逮捕歴や、交通違反歴は、信頼性を損なう要因となり得るでしょう。

また、騒音や悪臭などで、近隣住民との関係が悪化している事実も、風紀を乱しているとして、マイナス評価を受けかねません

こうした実情を踏まえ、配偶者ビザ申請の難易度を下げるためには、法令を遵守したうえで、周囲と良好な関係を築くことが大切です。

まとめ

配偶者ビザは、結婚の信憑性や日本での生計維持能力など、一定の審査基準を満たせば、そこまで難易度が高いわけではありません。

しかし、審査基準を満たしても、申請書類に不備があったり、過去に法令違反を犯していたりする場合、取得難易度が上昇します。

こうした実情を踏まえ、提出書類の収集や過去の在留状況に不安がある方は、行政書士をはじめとする在留資格の専門家に協力を仰ぐことをおすすめします。専門家の協力を得られれば、難易度が高くなる要因があっても、ビザ取得の道が開ける可能性があるでしょう。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
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