配偶者ビザ申請が不許可になる確率とは?高くなる要因や審査基準も解説!

ビザの不許可率は公表されていません。そのため、配偶者ビザの不許可率も、正確にはわからないのが現状ですが、ビザ審査の現場では、配偶者ビザ申請の不許可率は約1〜2割とされています。
配偶者ビザ申請の不許可率は思った以上にあると感じられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実務上は、配偶者ビザの審査基準を把握したうえで、対策を適切に講じることで、不許可を回避することが可能です。
こうした実情を踏まえ、本記事では、配偶者ビザの審査基準のほかに、配偶者ビザ申請の不許可になる確率が高くなる要因について解説します。配偶者ビザ申請が不許可になった場合の対処法についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
配偶者ビザ申請が不許可になる確率とは?
出入国在留管理庁は配偶者ビザが不許可になる確率を公的発表として公表していませんが、その確率はおおよそ1割から2割前後だとされています。
しかし、不許可になる確率の平均値は、書類不足や世帯収入、納税状況など、申請者個別の状況が加味されていません。したがって、申請書類に不備が一つでもあれば、審査官は関連リスクを連鎖的に疑い、結果的に不許可率が跳ね上がるでしょう。
それでも、配偶者ビザ申請で重要なのは、審査官の視点をよく理解することです。審査官の立場に立って配偶者ビザの審査基準をよく分析したうえで、不許可を回避するための対策を講じれば、不許可率を低くできるでしょう。
配偶者ビザの審査基準
配偶者ビザの審査基準には、次の4つがあります。
- 婚姻の信憑性
- 生活基盤の安定性
- 過去の在留状況
- 身元保証人の有無
それぞれ解説するため、ぜひ参考にしてください。
婚姻の信憑性
婚姻の信憑性とは、法律上の婚姻が成立しているうえで、夫婦として相当期間共同生活をし、婚姻が安定・成熟しているかのことです。
配偶者ビザの入管審査では、審査官は前提として偽装結婚の可能性を疑ってきます。そのため、申請者は偽装結婚の疑いを晴らすために婚姻の信憑性が高いことを証明しなければなりません。
婚姻の信憑性を左右するのは、提出が必須な質問書や夫婦間の交流が確認できる資料の内容です。これらの資料の内容をもとに、夫婦間で十分なコミュニケーションが取れているか、将来の生活設計について具体的な話し合いがされているか、などが審査されます。
婚姻の信憑性を証明する上では、提出が必須な資料のほかにも、結婚に至るまでの経緯をまとめた任意の理由書を提出することが大切です。理由書で説得的な説明を盛り込めば、偽装結婚を疑われるリスクが減少し、配偶者ビザ申請が許可されやすくなるでしょう。
生活基盤の安定性
生活基盤の安定性とは、夫婦が日本で安定した結婚生活を送れる経済力があるかどうかです。生活基盤の安定性が欠けていると、審査官は入管審査で、「申請者が生活保護をはじめとした日本の公的扶助制度に依存する可能性がある」と判断する可能性があります。
扶養者の数によっても変わりますが、生活基盤の安定性をクリアするうえで必要な収入は、年収ベースで約250万円です。この年収ラインを超えれば、安定的な収入があるとみなされやすくなります。
しかし、申請者の年収がこれより低く、非正規雇用だったとしても、問題ありません。十分な日本人配偶者の年収や当分の間は暮らしていける預貯金額、持ち家の所有などを書面で証明することで、収入要件をクリアすることが可能です。
過去の在留状況
配偶者ビザを申請する外国人配偶者が、留学や就労ビザなどで日本にすでに在留している場合は、過去の在留状況も審査対象となります。
たとえば、留学ビザで在留しているのにもかかわらず、学校を退学した、学校の成績が悪い、資格外活動許可なしでアルバイトをしているといった場合には、在留状況が不良だとみなされ、不許可の確率が高くなります。
また不法滞在歴があったり、日本国内に限らず、海外でも犯罪歴があったりする場合は、不許可の確率が高くなるため、注意が必要です。
ただし、過去の在留状況が不良だからといって、配偶者ビザ申請は必ず不許可になるわけではありません。事実に基づいた説得力のある理由書・反省文を提出し、誠実な姿勢を見せることで、現在の行動や改善努力などを審査官に評価してもらえる可能性があります。
こうした実情を踏まえ、過去の在留状況が良くない場合は、専門家の協力を受けながら、改善努力を証明するための証拠書類を作成すると良いでしょう。
身元保証人の有無
身元保証人とは、外国人配偶者が日本で安定的に、かつ、継続的に初期の入国目的を達成できるように、必要に応じて当該外国人の経済的保証や法令の遵守などの生活指導をする旨を法務大臣に約束する人です。
身元保証人は通常、日本人配偶者が兼任します。ただし、日本人配偶者の年収が低かったり、学生で経済力に乏しかったりする場合、勤務先の雇用主や日本人配偶者側の親族を追加することで、複数人による保証体制を構築するケースも少なくありません。
身元保証書を提出する際は別紙で生活費や帰国費、法令違反時の責任負担を明記したうえで、保証人の源泉徴収票や課税証明書を添付することで経済的担保を示すことが大切です。さらに、雇用主の名刺や、保証人が親族の場合は保証人との関係を示す戸籍謄本を加えることで、身元保証人の信頼性を高められるでしょう。
配偶者ビザ申請が不許可になる確率が高くなる要因
配偶者ビザ申請が不許可になる確率が高くなる要因には、次の6つがあります。
- 世帯で安定した生活を維持できる収入がない
- 転職の繰り返しで、勤続期間が短い
- 離婚回数が多い
- 夫婦間の年齢差が大きい
- 交際期間が短い
- マッチングアプリやSNSを通じて知り合った
逆に言えば、これらの要因を把握したうえで、対策を講じれば、配偶者ビザ申請が不許可になる確率を低くできます。ぜひ参考にしてください。
世帯で安定した生活を維持できる収入がない
世帯で安定した生活を維持できる収入がない場合は、配偶者ビザ申請が不許可になる確率が高くなります。審査官に申請者の生活基盤が脆弱であるとみなされるためです。
十分な収入があることを証明するためには、市区町村が発行する収入証明書や納税証明書など、安定した収入状況を証明できる書類を提出することが大切です。収入要件は世帯全体の生計で判断されるため、これらの書類のほかに、日本人配偶者の収入証明書を提出するとよいでしょう。
転職の繰り返しで、勤続期間が短い
転職の繰り返しにより、一社当たりの勤続期間が短い場合は、配偶者ビザ申請の不許可率が高くなります。入管審査で、経済的な安定性に乏しく、安定した結婚生活を送れないと判断される可能性があるためです。
このような事情を踏まえ、転職の頻度が多かったり、勤続期間が短かったりする場合は、任意に提出する説明資料などで、転職の理由を説明することが大切です。勤務先の倒産や経営不振による解雇など、合理的な理由を説明できれば、短い勤続期間は入管審査で不利に働かないでしょう。
離婚回数が多い
離婚回数が2回以上あったり、離婚から短期間で再婚したりしている場合は、配偶者ビザ申請の不許可率が高くなります。離婚歴が多いと、審査官に婚姻の信憑性を疑われる可能性があるためです。
入管審査では、配偶者ビザの不正取得を防ぐために、申請者が現在の日本人配偶者との関係を真剣に考えているか、どのような理由で過去に離婚したかを厳しく審査されます。
そのため、離婚歴がある場合は、質問書や任意の理由書で、離婚の背景や現在の日本人配偶者との関係の安定性を説明することが大切です。離婚の理由や現在の関係性について、具体的な情報を提供すれば、婚姻の信憑性を高められるでしょう。
夫婦間の年齢差が大きい
20歳以上の年齢差など、夫婦間の年齢差が大きい場合は、配偶者ビザ申請の不許可率が高くなります。国際結婚で年の差婚が占める割合は少ないことから、偽装結婚を疑われやすくなるためです。
偽装結婚が特に疑われやすいのは、外国人配偶者が若く、高齢日本人配偶者が裕福なケースです。このケースでは、審査官に「日本人配偶者の遺産や保険金が目的ではないか」と疑われやすいため、理由書で交際の経緯を細かく記載したうえで、現状の状況をしっかり説明する必要があります。
交際期間が短い
交際期間が短い場合は、偽装結婚への疑いから、配偶者ビザ申請が不許可になりやすくなります。
民間企業の調査では、結婚までの交際期間は平均で約3.5年です。つまり、交際期間がこの年数よりも極端に短いと、十分な相互理解がないまま結婚に至ったとみなされ、配偶者ビザ申請が不許可になりやすくなります。
しかし、交際期間が短い場合でも、質問書や理由書などで結婚に至るまで経緯を詳細に立証することで、審査官の心証悪化を回避できる可能性があります。また、理由書で日本語を十分に理解できることを記述すれば、日本人配偶者との関係が深いことを立証できるでしょう。
マッチングアプリやSNSを通じて知り合った
日本人配偶者とマッチングアプリやSNSを通じて知り合った場合は、配偶者ビザ申請が不許可になりやすいとされています。偽装結婚の多くはオンラインでの出会いを通じて行われてきた経緯があるためです。
そのため、オンラインを通じて日本人配偶者と出会った場合は、交際に至った経緯だけでなく、アプリやSNSの仕組みを説明し、真剣に結婚相手を探していたことを立証することが大切です。ビザや金銭などの利害ではなく、愛情を目的として関係を深めたことを証明できれば、不許可を回避しやすくなるでしょう。
配偶者ビザ申請が不許可になった場合の対処法
配偶者ビザ申請が不許可になった場合は、次のような手続きを取ってください。
- 地方出入国在留管理局に不許可理由を聞きに行く
- 不許可の原因を修正して再申請する
順番に説明するため、ぜひ参考にしてください。
1.地方出入国在留管理局に不許可理由を聞きに行く
まずは不許可の通知書と身分証を持参して配偶者ビザの申請をした入管に出向き、担当官から不許可の理由について聞いてください。
不許可理由は一度だけ担当官から教えてもらえます。行政書士に配偶者ビザ申請の代理を依頼していれば、その行政書士に同席を求めるとよいでしょう。
行政書士は仕事を受けた責任があるため、申請者に代わって不許可理由を細かく聞いてくれます。
2.不許可の原因を修正して再申請する
不許可理由を教えてもらった後は、不許可理由に該当する部分を修正した申請書を作成して再度入管に提出してください。
ただし、1度目の申請で虚偽申請をし、それが発覚してしまった場合、時間を置いてもリカバリーは不可能です。入管は虚偽申請を最も嫌っているため、配偶者ビザは諦め、ほかのビザを取得する方向に転換しましょう。
まとめ
配偶者ビザ申請が不許可になる確率は1〜2割程度とされていますが、専門家ではない方が申請すると不許可率が跳ね上がるリスクがあります。
そのため、配偶者ビザの取得を考えている外国人配偶者は、行政書士をはじめとした在留資格の専門家に申請代理を依頼することをおすすめします。専門家は法的な観点から書面を準備・作成してくれるため、適切かつスムーズな申請が実現できるでしょう。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/permanent/
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広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター
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Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応
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