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技能実習制度について

技能実習制度について詳しく解説します

日本にとっての国際貢献……? 外国人の技能実習生って何?

 

少子化・高齢化が進む日本では、若い労働力が不足しています。さまざまな業界で、人手が不足しているのですが、新しい担い手はなかなか現れない現状があります。

 

そこで、日本で働きたがっている外国人の労働力に、活路を見いだす日本企業も増えています。

 

外国人が安い給料で酷使されないよう、特に、単純作業・ルーチンワークの仕事をするために日本に入ってこようとする外国人に対して、出入国在留管理局の規制は厳しく、ビザがなかなか認められませんでした。

 

ただ、2017年からスタートした「技能実習」の制度は(それ以前も研修制度というものが日本には存在しました。)、特に技術や経験を持っていないけれども、日本で働きたがっている外国人の若者が入国する方法として注目を集めています。

 

この記事では、技能実習の制度について、その全体像が大まかにわかるよう解説しています。

 

■技能実習とは、どんな制度?

 

技能実習生は、日本企業の持っている技術やノウハウを身につけ、熟練してもらうため、外国人労働者を日本に迎え入れることです。多くの技能実習生が日本国内で働くようになれば、さまざまな業界での人材不足が解消されるものと期待されています。ただ、人材不足の解決よりもむしろ、技能実習生が身につけた日本の技術を母国に持ち帰って、その発展に生かしてもらうという「国際貢献」のほうが、最終的な目的となっています。

※本来の目的から逸脱・形骸化している現在の技能実習の実情ですが、あくまでも技能実習の目的は人手不足の解消ではなく、海外への技能移転です。

 

 

技能実習生は、従来からある在留資格「研修」に似ています。

研修ビザによって日本に入国した外国人が、企業で受け入れられている場合もあるのです。

 

ただ、研修ビザで入国している外国人は、その日本企業にとって必要な人材の育成が最大の目的です。研修中の外国人は、報酬・給料を受け取ることができない立場とされています。

 

その一方で、技能実習生は、習得した日本の技術を最終的に母国に持ち帰って生かすことを目標に来日しています。企業に雇用されて、一定の給与を受け取ることも認められます。

 

在留資格「技能」とも似ていますが、技能ビザは建築技術者、動物調教師、料理人、ソムリエなど、もともと熟練した技術を持つ外国人が日本を舞台に活躍するためのものです。その点で、見習いとして、技術を身につけて磨き上げる訓練のために来日する技能実習生とは立場が違います。

 

在留資格「特定技能」とも似ていますが、特定技能ビザをとって来日する外国人は、日本で人材不足が深刻な特定の14業種で働くことを特別に認められ、人材不足問題を解消することに主眼が置かれています。その点で、技能実習生とは目指している最終目的が異なるのです。

 

■技能実習生が日本に受け入れられる2種類のルート

 

技能実習生が日本に受け入れられるためのルートとして「企業単独型」と「団体監理型」があります。

 

企業単独型は、海外の取引先企業や現地法人などの協力を得ながら、外国人に技能実習を実施する方法です。

 

団体監理型は、非営利の監理団体(公益法人や協同組合など)が、海外の送り出し機関を通して、海外から技能実習生となる外国人を募集し、その監理団体に組合員等として加入している「実習実施者」として加入している企業へ、外国人実習生を送り込むという形になっています。

 

 

■技能実習生には3段階のランクがある

 

技能実習生としての在留資格には、「1号」「2号」「3号」の3種類があります。

最初は「1号」として1年間の実習を受けます。技能評価試験というテストに合格すれば「2号」に昇格します。引き続き2年間の実習を受け、技能評価テストに合格すれば「3号」に昇格し、1~2年の実習を受けます。

 

つまり、技能実習生として、最長5年間にわたって日本に滞在することが認められます。

※「3号」の技能実習生を受け入れるためには、「実習実施者」である企業と技能実習を監理・指導する監理団体の双方が「優良」であるとの認定を受ける必要があります。

上記の認定を判断する基準ですが、一定の点数をクリアしているかどうか(ポイント制)で

判断されます。

 

技能実習制度の上には、監理団体と実習実施者を監督する「外国人技能実習機構」という強力な権限をもった行政機関が存在します。

 

この「外国人技能実習機構」は技能実習の範囲を逸脱した活動を技能実習生にさせていることを発見した場合、実習実施者(企業)に対しては、技能実習の中止や、数年間の技能実習生の受け入れ停止の措置を講ずる権限を有しており、また、監理団体(協同組合等)には、最悪の場合、認定取り消し(外国人技能実習生及び実習実施者を監理・指導する免許が無くなる)を行うことがあります。つまり、「外国人技能実習機構」は技能実習制度を適切に運用するために強大な権限を有しているという事です。なので、技能実習生の受け入れを安易に考えることは絶対にやめておいた方が良いです。

 

 

■さらに日本で働き続けることもできるチャンス

 

技能実習生は、日本の技術を母国に持ち帰ることが最終目標ですが、技能実習生のプロセスが終了しても、帰国せずに引き続き日本で働くこともできます。

 

そのためには、たとえば在留資格「特定技能」を取得し、技能実習で学んだことを日本企業の中で生かす道があります。

 

特定技能は、「農業・漁業」「介護」「建設」「ビルクリーニング」など、特定の14業種で働くことが認められている外国人の在留資格です。

 

技能実習「2号」の期間を良好に修了していれば、日本語能力試験が免除され、同職種で特定技能外国人として就業する場合は専門(技能)試験も免除されます。

 

ただし、特定技能14業種の中には、技能実習生が学べる対象となる業種もあれば、そうでない業種もあります。

 

たとえば、技能実習生が学ぶ建築業種の中で「型枠施工」は特定技能でも受け入れ先がありますが、「建築板金」は対象外です。

 

ですから、もし技能実習生としての課程を終えた後も日本で働き続けるつもりなら、特定技能ビザでも受け入れ先の業界が存在する業種をあらかじめ選ぶ必要があるでしょう。

 

 

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