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ブラジル人と日本人との結婚手続について(詳細版)

ブラジル人と日本人との結婚手続について(詳細版)

ブラジル人と日本人との結婚手続きについて

 

明治時代から日本人が積極的に渡ったこともあり、ブラジルは今でも日系人が多い国です。そのため、現地のブラジル人も日本に強い関心を持っています。

 

新型コロナウイルスによる感染拡大が起きる前、2019年の段階で、ブラジル人の来日者数は、年間約4万7000人となっていましたが、すでに日本に在留・永住しているブラジル人の人口は、2019年の時点において約21万1000人で、南米諸国の中では圧倒的なトップです。一方、ブラジル国内に在留・永住している日本人も、2018年で5万1000人を超えています。

 

日本とブラジルはほぼ地球の反対側同士で、お互いに非常に遠い国ですので、気軽に旅行へ行けるわけではありません。しかし、特にブラジルから日本への移住者は確実に増えていて、群馬県大泉町のような「ブラジル人街」も現れるようになりました。

 

そのような交流の中で、ブラジル人と日本人が出会い、結婚する例もあります。

 

国際結婚でいえば、特にブラジル人男性と結婚する日本人女性が多く、ブラジル人の夫と日本人妻という組み合わせは、国籍別で、韓国人夫・アメリカ人夫・中国人夫に次いで、第4位(5.6%)と、高い水準を示しています。1990年代には、日本人夫とブラジル人妻という組み合わせのほうが多かったのですが、現在では逆転しています。

 

ブラジルと日本の結婚制度の違いについて

 

ブラジルでの結婚可能年齢は、男女ともに16歳以上です。ただし、18歳に満たない年齢であれば、法的に親の同意がなければ結婚が成立しません。

一方で、日本では、男性18歳、女性16歳が結婚可能年齢と定められています。ただし、2022年4月から、男女ともに18歳以上で婚姻可能で、親の同意が必要ないものと改正されます。

 

日本では、離婚直後に生まれた子どもがいるとして、前の夫と現在の夫のどちらが父親なのかを確定させるため、女性のみに100日間の再婚禁止期間が設けられています。

 

その一方、ブラジルの法律では、前の配偶者と死別したり、前の婚姻が法的に無効・取り消しとなったりした場合につき、女性の再婚禁止期間を10カ月間と定めています。

離婚の場合に再婚禁止期間が適用されるか、明文はありませんが、少なくとも、前の夫婦の共有財産について財産分与の手続きが完了するまでは、再婚できないルールになっています。

 

 

次に、日本人とブラジル人が国際結婚を行うとき、法的に求められる手続きについて解説していきます。

 

これは、日本で先に手続きを行うか、それともブラジルで先に手続きを行うかで、全体の流れが異なります。

 

先に日本で結婚手続きを進める場合【日本先行方式】

 

婚姻届を日本の役所・役場に提出する前に、まずは、ブラジル人配偶者の婚姻要件具備証明書(独身証明書)を発行してもらう手続きから始める必要があります。

日本国内では、在日本ブラジル大使館で入手するのが確実です。必ず、本人が出頭してください。ブラジル人配偶者以外の代理申請はできません。

婚姻要件具備証明書の発行を求めるために、必要となる書類は次の通りです。

 

加えて、特徴的なのは「証人2名」が求められることです。

18歳以上であれば、誰でも証人になれます。

ただし、証人がブラジル人であれば、職員の目の前でサインをするため、必ず大使館に来館しなければなりません。そして、パスポート(あるいはブラジル国発行の身分証明書)の原本を提示し、写しを提出します。

それ以外の国籍の方は、来館が免除されます。ただし、事前に公証人役場に出向いて、申請用紙へのサインを公証人の立ち会いの上で行わなければなりません。加えて、パスポートや運転免許証など、顔写真入り身分証明書の写しを添付します。

 

無事に受け取った婚姻要件具備証明書には、その日本語翻訳文を添付し、2人で日本の役所・役場に持っていき、婚姻届を提出します。

必要書類は婚姻要件具備証明書と、その和訳文以外には、次の通りです。

 

その後、役所から「婚姻届受理証明書」と「婚姻届出記載事項証明書」を受け取ったら、ブラジル大使館に報告的な届出を行いましょう。

必要書類は他に、婚姻情報記録済みの日本人の戸籍謄本と、ふたりのパスポートです。

 

ブラジルで先に結婚手続を進める場合【ブラジル先行方式】

日本人は、あらかじめ日本の法務局から婚姻要件具備証明書を、本籍地の役所から戸籍謄本を取得しましょう。それぞれポルトガル語訳文も作成しておきましょう。戸籍謄本は、日本の外務省の認証も受けなければなりません。

 

そして、居住地の役所で「結婚の公示」手続きを行います。

必要書類は、婚姻要件具備証明書と認証済み戸籍謄本、これらのポルトガル語訳文に加えて、以下の通りです。

 

その後、結婚の公示が新聞紙面上などで約1か月間行われ、終了後は市役所で結婚式を実施します。

 

市役所で婚姻証明書を受け取り、最後に、在ブラジル日本大使館に、報告的な届出を行います。

必要書類は次の通りです。

 

配偶者ビザが発行されるかどうかは別の問題

 

ただ、ブラジル人との結婚が正式に成立したとしても、そのブラジル人に日本の在留資格である「配偶者ビザ」が発行されるかどうかは、また別の話ですので、ご注意ください。

配偶者ビザの申請のために、結婚とは異なる独自の手続きもありますし、偽装結婚でないことを示すために多数の証拠を提出しなければならない難しさもあります。詳しくは弊所にお問い合わせください。

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